ワクチンの高齢者接種が始まりました

2021.04.12

コロナワクチンの高齢者接種が始まりました。

高齢者向けの接種は、ファイザー社のワクチン「コミナティ筋注」を使用します。

このファイザー社のワクチンの世界的な治験は、昨年7月に始まりました。

治験では、ワクチン接種者と偽薬(生理食塩水)を注射した人を比較して、発症数や重症化数を比較して有効性を確認します。

そのため、欧米と比べ、コロナウイルスの感染者数が桁違いに少ない日本は、有効性の確認に時間がかかるため、治験の対象から外れました。

日本では、3ヶ月遅れて昨年10月に、ファイザー社のワクチンの安全性に関する治験が始まりました。

アメリカでは昨年12月にファイザー社のワクチン接種が始まりましたが、日本では2ヶ月遅れて2月に医療従事者に対する先行接種がスタートしました。

ファイザー社のワクチンに対する世界的な需要が当初よりもかなり増えたため、ファイザー社は、ベルギーの工場のワクチン製造ラインを増設することとなり、そのために既存の製造ラインが一時、減産あるいは停止することになりました。

そのため、日本向けのワクチンも限られていましたが、5月からは毎週およそ1000万回分ずつ供給されます。

これまでは、限られた数の輸入されたワクチンを医療従事者向けに限っていました。

都道府県ごとの医療従事者数に応じて、輸入されたワクチンを都道府県に配分し、都道府県内の医療機関に分配してもらっています。

3月末までに約250万回分のワクチンを都道府県に配分しており、4月9日までに約160万回の接種がおわっています。

4月12日から高齢者向けのワクチン接種が始まりますが、知事会からの要望もあり、ゆっくり立ち上げていきます。

まず、4月12日からの接種のために、各都道府県に1箱(東京都、神奈川県、大阪府は2箱)を配送します。

ワクチンの配送システム(V-SYS)やワクチン接種記録システム(VRS)などの運用手順の確認や、予診や実際に接種のために肩を出す時間などを各自治体で確認していただきます。

4月19日からの接種用に、各都道府県に5箱(東京都、神奈川県、大阪府は10箱)、4月26日からの接種用に同じく5箱(東京都、神奈川県、大阪府は10箱)を配送します。

ここまでのワクチンについては、都道府県に配分を決めていただいています。

4月中は高齢者の接種も数量も限定されていますので、接種に携わる医師や看護師の数も限られます。

都道府県によっては、高齢者の接種に携わる医療従事者に優先的にワクチンを接種するところもあり、また、高齢者用として配分されたワクチンを医療従事者用の接種に使うこともできます。

4月26日の週に、1741の全ての市区町村に1箱ずつ配送します。

それに加えて4月26日から5月9日の間に4000箱を自治体の希望を踏まえて配送します。

そのなかでゴールデンウイークの間に接種する自治体には、それに間に合うように配送することにします(186自治体から合計563箱の希望がありました)。

現在、この4000箱の配送可能量に対して7322箱の要望をいただいているので、都道府県の高齢者人口も加味して割当量を決定し、まず、ゴールデンウイーク分を優先的に配送し、残りを5月9日までに配送します。

5月10日から5月23日までの2週間には16000箱を配送することができるので、自治体の希望に応えられると思います。

蔓延防止等重点措置の対象地域にワクチンを優先的に配送したらどうかという議論もありますが、5月以降は、EUの輸出承認を前提に、ファイザー社から毎週1000万回分程度のワクチンが供給されるので、ワクチンの供給量はボトルネックになりません。

6月末までに、3600万人の高齢者が2回接種できる量のワクチンがファイザー社から供給されてきますので、各市区町村の要望に応じて配送することが可能です。

高齢者接種の対象は3600万人です。

とても1日あるいは1週間では接種できません。

高齢者接種の対象者でも、お待ちいただくことになります。

各自治体には、予約可能数やコールセンターの回線数などを考慮して、接種券を年齢別や地域別などで、段階的に配送していただくことを提案しました。

しかし、隣の家には接種券が来ているのに我が家には来ていないとか、隣の地区では予約を取っているのにこちらの地区はまだ対象になっていないというクレームをさけるために、接種券を同時に発送する自治体もあります。

自治体にとっては、やはり公平性、平等性が非常に大切です。

コールセンターにつながらないとか、予約がなかなか取れないという事態を避けるために、私から各自治体に対して、私の責任で公平性や平等性を少し犠牲にして、段階発送をしていただくように公に、もっと強くお願いをするべきでした。

自治体の担当者にはご迷惑をおかけしました。

ただ、コンサートのチケットや湘南国際マラソンの出走資格などを取るのとは違って、ワクチンの予約は必ず取れます。

あせらずにお待ちください。

そして接種当日には、接種券と身分証明書(保険証や運転免許証など)を忘れずに、肩を出しやすい服装でお出かけください。



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