汚染水とメディア

2015.02.24

東京電力が、汚染水が海に流れ出ている可能性を昨年4月から知りながらずっと隠ぺいしてきた。

勝手に汚染水処理の定義を変更してみたり、問題を隠ぺいしてみたり、汚染水がコントロールされているとは全く言えない状況になっている。

今朝、自民党本部で開かれた会合の席上、経産省は、東京電力が汚染水処理の定義を変えて五月末と言ったこと、元の定義では来年度いっぱいかかる可能性があることを明言した。

それを受けて、これまで東京電力の発表をそのまま鵜呑みにしていたメディアの一部が、ようやく汚染水処理の定義が変えられたことを報道し始めた。

「経済産業省は24日、東京電力福島第1原子力発電所が保管する高濃度の汚染水の浄化を終える時期が2015年度中になるとの見通しを示した。従来は今年3月末としていたが、最長で1年延びる可能性がある。

 東電は福島第1原発の汚染水の浄化が終わる時期を3月末としていたが、作業の遅れで5月にずれ込むとの見通しをすでに示している。

 経産省はこの日の自民党部会で、5月に終わるのはストロンチウムと呼ばれる放射線の強い物質の除去だと説明。担当者は、汚染水を十分に放射線量が低い状態まで浄化するには『6月から数カ月かかる』との見通しを示した。」日経新聞

「経済産業省は24日、自民党内の会合で、東京電力福島第1原発の地上タンクに保管している高濃度汚染水について、トリチウム以外の62核種を取り除ける多核種除去設備(ALPS)による全量浄化の完了が平成27年度後半になるとの見解を示した。東電が5月としている完了見通しが大幅に遅れることになった。

 東電が5月までに浄化が完了するとしている水には、強い放射線を出すストロンチウムだけしか取り除いていないものも含まれている。浄化計画の当初発表ではALPSを通すことを「浄化」としてきただけに、会合では河野太郎衆院議員が『浄化の定義を変えるのは、でたらめだ』と批判。経産省の担当者は『6月からALPSで再処理するが、数カ月はかかるだろう』と説明した。

 原子力規制委員会は、タンク内の汚染水に起因する敷地境界の被ばく線量を年間1ミリシーベルト未満まで下げるよう東電に指示している。」サンケイビズ

また、共同通信がIAEA調査団の報告書に関して、下記の記事を配信している。しかし、IAEAのPreliminary Summary Reportの原文と比べると、違和感がある。正しく通訳が行われていないか、団長がレポートとは違うことを述べているのか。

「 東京電力福島第1原発の廃炉作業を検証するため来日中の国際原子力機関(IAEA)の調査団は17日、構内で増え続ける汚染水について『持続可能な対策を講じることが課題だ』とする報告書の素案をまとめ、高木陽介経済産業副大臣に手渡した。

 フアン・カルロス・レンティッホ団長は東京都内で記者会見し、汚染水によるリスクの低減に向けて『管理した上で海洋放出することが全体の安全性向上につながる』と述べた。浄化設備で処理後も汚染水にはトリチウムが残るが『人体への影響は小さい』とした。

 その上で日本政府や東電には『海洋放出を含め、あらゆる方策を検討してほしい』と助言した。」共同通信

「The IAEA team is of the opinion that the present plan to store the treated contaminated water containing tritium in above ground tanks, with a capacity of 800,000 cubic metres, is at best a temporary measure while a more sustainable solution is needed.

Therefore the present IAEA team reiterates the advisory point of the previous decommissioning mission:

“The IAEA team believes it is necessary to find a sustainable solution to the problem of managing contaminated water at TEPCO’s Fukushima Daiichi NPS. This would require considering all options, including the possible resumption of controlled discharges to the sea.

TEPCO is advised to perform an assessment of the potential radiological impact to the population and the environment arising from the release of water containing tritium and any other residual radionuclides to the sea in order to evaluate the radiological significance and to have a good scientific basis for taking decisions. It is clear that final decision making will require engaging all stakeholders, including TEPCO, the NRA, the National Government, Fukushima Prefecture Government, local communities and others”」

IAEA INTERNATIONAL PEER REVIEW MISSION ON MID-AND-LONG-TERM ROADMAP TOWARDS THE DECOMMISSIONING OF TEPCO’S FUKUSHIMA DAIICHI NUCLEAR POWER STATION UNITS 1-4 (Third Mission) PRELIMINARY SUMMARY REPORT TO THE GOVERNMENT OF JAPANの15ページ



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