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映画「東京原発」
2014.06.14
6月13日夜、茅ケ崎で自主上映された「東京原発」という映画をみました。役所広司主演、岸部一徳はじめとする脇役も渋い、ブラックユーモア満載の良質のエンターテインメントでした。
役所広司扮する都知事が、突然に東京に原発を誘致すると言い出したことから...
上映後、原子力発電・核燃料サイクルに関する講演を30分ほどさせていただきました。
映画のクレジットの最後には2002年とありましたが、公開されたのは2004年のようです。
昼の部に山川元監督がいらして、スポンサーもなかなかつかず、上映館もなかなかなかったとお話をされたそうですから、映画の公開も遅れたのかもしれません。
随所で笑える内容ですが、福島第一原発の事故を見てつくったのではないかと思うほど、リアルな内容になっています。チャンスがあれば、ぜひ、ご覧下さい。
いや、機会があればぜひ自主上映をしてみてください。
「東京原発」オフィシャルサイト
http://www.bsr.jp/genpatsu/main.htm
6月14日、土曜日朝のなんと9時から、表参道のクレヨンハウスで、「朝の教室」の講師を務め、核燃料サイクルとエネルギー政策の講演と質疑応答をやりました。120人以上にお越しいただきました。
スケジュールを見ると、エネルギー政策に関する講演が、近頃、また増えてきたような気がします。
自民党石川県連の政治学校でエネルギー政策の講演、茨城県の自民党の県議の後援会と地元の自民党支部の共催でエネルギー政策の講演、自民党岐阜県連、地元の理容組合や看護協会、地元の国政報告会でも要望されたテーマはエネルギー、そして国会閉会後に韓国で開かれるPacific Energy Summit。
エネルギー政策、核燃料サイクルに対する関心は減ってはいないようです。
でも必ずといってよいほど講演後の質問で出るのは、国民の圧倒的多数が脱原発と思っているのに、なぜ、政治はそれを形にできないのでしょうか。
チェルノブイリの事故からドイツが脱原発にかじを切るのに30年かかりました。まだまだ日本でも議論をしていかなければならないのでしょう。
その時に気をつけなければいけないことがあります。
一つはセクト化しないこと。つまり、同じ脱原発という方向を向いているのに、主張が少し違うからといって仲間を後ろから撃たないこと。
脱「脱原発のセクト化」2013年8月30日
http://www.taro.org/2013/08/post-1392.php
原発ゼロの会でも再稼働そのものに反対する議員もいれば、新増設をせず40年たった原子炉を廃炉にして2050年に脱原発という主張もあります。
でも、どこかで脱原発する、再処理は直ちに停止する、再生可能エネルギーを促進していくという3点はしっかり合意して活動を続けています。
実際に脱原発しようがしまいが関係なく、脱原発を利用して、自分たちに勢力を拡大しようとしている政治勢力もあるでしょう。彼らにとっては脱原発を訴える大きなグループができることは脅威かもしれません。
しかし、本当に脱原発を実現しようと思っているならば、同じ方向を向いている人たちはみんな仲間です。
もう一つの問題は「ついで話、ついでパンフレット」です。
脱原発の講演に集まった人に、脱原発のパンフレットを配るついでに特定秘密保護法反対のビラを配ってみたり、集団的自衛権反対の話を開会あいさつでついでにしてみたり。
脱原発イコール特定秘密保護法反対ではありません。集団的自衛権に賛成しながら脱原発を支持しても論理的な矛盾もなければ、なにもおかしなことはありません。
どちらかと言えば左派、リベラル派に脱原発を支持している人が多いのは事実です。しかし、保守派と呼ばれる人のなかにも脱原発を支持する人はいます。
安倍総理の夫人も脱原発を支持されているぐらいですから、安倍政権を支持しながら脱原発を支持することは、ちっともおかしくありません。
むしろ脱原発の輪を広げていくためには、センターから右の層に理解を深めてもらわなければなりません。
だから脱原発の話を聞きに来た人に、ついでに他の政策を押しつけるのはやめましょう。
それはそれ、これはこれです。
原発反対、TPP反対、特定秘密保護法反対、集団的自衛権反対はセットではありません。
「脱原発をしたほうがいいね」という人がいれば、その人がマリノスサポーターでもフロンターレファンでも、私は気にしません。
まず、みんなの輪を広げる、これが大事なことだと思います。