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無駄撲滅PTによる是正の例
2013.11.09
自民党の無駄撲滅PTは、地味に活動を続けています。
たとえ小さい金額でも予算の隅々に目を光らせて、無駄なものを削減していくと、霞が関にも緊張感が出てくるだろうと、長時間のヒアリングを続けています。
すでに来年度の概算要求にあがっている予算の中にも、PTの是正の提案を受け入れてもらったものがいくつもあります。
例えば農水省の予算から、すでに是正された例をみると:
1.学校給食用牛乳等供給推進事業交付金という予算があります。
遠隔地や離島の学校に牛乳を供給するための輸送費の補助等のための予算です。
この予算は、基本的には都道府県が事業主体で、そこへ補助を出すのですが、農水省と都道府県の間に独立行政法人農畜産業振興機構という組織が入って、そこを経由して補助金が流れていました。
PTのヒアリングで、今年度、農水省からこの独立行政法人に、8億6400万円が流れているのに、ここから都道府県に合計で6億6300万円しか交付されていないことが明らかになりました。
平成12年度以降、毎年、この予算が農水省からこの独立行政法人を経由して流れていただけでなく、農水省から独立行政法人に流れたお金とそこから都道府県に流れたお金の間に、最大で年間28億円の差があったことがわかりました。
合計すると、独立行政法人農畜産業振興機構に、この予算から68億円が滞留しています。
そもそも、農水省から都道府県に出す補助金を、なぜこの独立行政法人を経由して流していたのか不明です。農水省の説明は、昭和37年からそうやっていたからというだけです。
今回のPTの指摘を受けて、この予算は農水省から都道府県に直接出すことになりました。
滞留していた68億円の使途についても調査していきます。
2.農業経営改善利子補給金等交付事業という一般会計の事業があります。
わかりにくいですが、各都道府県の農業信用基金協会が民間の金融機関から資金を調達し、さらに各都道府県が出捐金を加えます。
その資金に国が利子補給して、農業信用基金協会が民間金融機関に0.026%という低利で預託し、それを原資に民間金融機関は認定農業者等に1.5%で融資するという仕組みです。
問題は、各都道府県の農業信用基金協会が民間金融機関から調達するときの金利です。どの農業信用基金協会も特定の民間金融機関から、随意契約で調達していたため、最高で2.2%という非常な高金利になっていました。
複数の金融機関から競争で調達していれば、はるかに安い金利になり、国の利子補給金も安くなったはずです。
なかには随意契約で高金利で農業信用基金協会に貸したお金を、0.026%という低金利で預託してもらって、認定農業者に1.5%で貸していた金融機関もありました。
今後、農業信用基金協会にはきちんと競争入札で調達してもらうことになりました。
行政事業レビューシートの記入が杜撰な事業も多く目につきます。
目標設定もいい加減で、事業の成果がレビューできないものもかなりあります。そういうレビューシートを見るたびにきちんと書き直しをしていただいて、PDCAのサイクルがきちんと回せるようにしていきたいと思います。