素晴らしいシステムもあります

2013.08.24

昨日、日本法令外国語訳データベースシステム(JLT)と呼ばれるシステムについて書いたとき、韓国では全ての法律が10日で英訳されていると書きましたが、どうやらそれは「努力目標」のようです。
現実には、韓国では、現在、約4000の法律に対して、法制処と法制研究院が合わせて約2300の英訳を公開しているそうです。
お詫びして訂正します。
さて、JLTに関しては、日本の法律の英訳が遅れているという話でしたが、実は国内には進んだシステムもあります。
eLen(e-Legislation)条例データベースシステムと言われているシステムで、全国の約9割の自治体が公開している条例と規則を全て収集し、自治体に対して無償で提供しているシステムです。
収集されたのは、全国の自治体の約108万の条例と規則で、1200万条にものぼります。
この条例と規則をキーワードで検索したり、自治体の人口等で条件を絞って検索することができます。
そして検索した条例をベンチマークすることもできます。例えば、平塚市と茅ヶ崎市の環境審議会規則が会長及び副会長についてどんな規定を置いているか、意見の聴取についてはどんな規定があるか、庶務については定められているか等を一瞬で比較表の形で自動作成する機能です。
それを使えば平塚市の環境審議会規則では第六条に「審議会の庶務は、環境部環境政策課で処理する」、茅ヶ崎市の環境審議会規則ではその第十条に「審議会の庶務は、環境部環境政策課において処理する」、名古屋市環境審議会規則では第七条で「審議会の庶務は、環境局において処理する」とあるのが一発でわかります。
このシステムを使うことで、新しい条例や規則を制定するときに、全国の類似の条例がピックアップできるだけでなく、それぞれどんな規定が置かれているか、どんな条文で書かれているかまで、比較することができます。
さらにプロトタイプとして、それぞれの条例の立法事実まで載せようとしています。
このシステムは、自治体毎に利用の申し込みをすれば、無償で使えます。
現在、771の自治体がこのシステムを何らかの形で利用しています。毎日、平均43の自治体からアクセスがあるようです。
今年の1月から7月までの間に、このeLenシステムを利用した上位10自治体は
愛知県大府市 449回
愛知県碧南市 272回
熊本県菊陽町 259回
北海道新十津川町 187回
北海道津別町 177回
東京都日野市 167回
神奈川県横須賀市 161回
熊本県水俣市 156回
三重県いなべ市 143回
沖縄県那覇市 143回
となっています。
ちなみに茅ヶ崎市は21回、平塚市は4回、大磯町は3回、二宮町は、すみませんデータ取り損ないました。
現在は、自治体職員を中心に提供されていますが、私はむしろ、市町村議会議員こそ、このシステムを利用するべきだと思います。
このシステムは
http://jalii.law.nagoya-u.ac.jp/
を参照して下さい。
問題なのは、せっかくこんな素晴らしいシステムが構築されていながら、その運営費さえ捻出できなくなりつつあるということです。
市長会、町村長会や議長会などが動くべきではないかなと思いますが。



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