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備品の4分の1がなくなった!
2013.02.01
物品増減及び現在額報告書をめぐる問題は、まだまだある。
総選挙の翌日、2012年12月17日、厚生労働省が記者会見を開いて、国立医薬品食品衛生研究所と国立保健医療科学院で、備品が341点、7億6千万円相当、が行方不明になっていると発表した。
これには伏線がある。
2012年9月14日に、厚労省は国立感染症研究所で、備品4244点の実に4分の1に当たる1153点が行方不明になっていることを明らかにしている。
最終的に9月28日に、4244点のうち、261点は実は重複記載等で存在せず、952点、取得価格20億円分が行方不明だと発表した。
そこでこれはヤバイと思った厚労省が直轄の他の研究所にも調査をさせた結果がこの総選挙の翌日の発表になったわけだ。
問題は、この国立感染症研究所で、なぜ、備品の4分の1がなくなったのかということ。もちろん、国立感染症研究所に責任があり、ずさんな管理体制を改めなければならないのはいうまでもないが、それだけではない。
まず、厚労省から財務省への報告に使っていた台帳と実際に備品管理に使っていた台帳が、別物、つまり二重帳簿になっていたのが一つ。
次に、毎年、厚労省の大臣官房会計課が監査指導に入っていたのだが、毎年の会計課の監査では、ずっと備品がないことに気がつかなかったのが二つめ。
2012年の監査で、備品管理に使っていた台帳の中から、抽出して現物を確認しようとしたら、それがなかった、そこで調べさせたらないものがゾロゾロ出てきたというわけだ。
それまでは、たまたま抽出したものが現物があったので、わからなかったということらしい。
厚労省は、現物の確認ができないものについては亡失手続をとるとしていたが、なくなってしまったものの経緯については聞き取り調査しかしていないため、亡失手続は時期尚早だ。
なくなったものの中には、遺伝子発現解析装置のように取得金額で7000万円を超える装置もある。ジェネティックアナライザー2台、取得金額にしてそれぞれ1400万円と960万円、マルチキャピラリーシーケンサー約1350万円、バイオイメージアナライザー1050万円、遺伝子検出装置1600万円、バッチクランプ顕微鏡システム1000万円等々...もなくなっている。
こうした装置に関しては、製造番号等、装置を特定できる番号等を調べ、メーカーにその装置がまだメンテナンスの対象になっているかどうか、どこでメンテナンスが行われているか、消耗品が発注されているかどうか等の問い合わせをしたり、研究者の異動先の機関にこのような装置がないかどうかなど調査を尽くす必要がある。
直轄の研究所がこの状況では、厚労省傘下の独立行政法人はどうなっているだろうか。