ユネスコで日本はどうする

2012.09.03

ユネスコがえらいことになっている。

ことの発端は、ユネスコがパレスチナの加盟を認めたこと。

そのためにユネスコへの拠出金の22%を負担していたアメリカが拠出金の支払いを止めた。もっともこれはオバマ政権の問題というよりも、「パレスチナの加盟を認めた国連機関にはアメリカ政府は拠出金を支払ってはならない」という法律を通した議会のほうの問題かもしれないが。

"[the United States may not] provide funds to the United Nations or any specialized agency thereof which accords the Palestine Liberation Organization the same standing as member states."

パレスチナが加盟したとほぼ同時にこの拠出金が止まった。(もっとも二年間続けて拠出金が不払いになると投票権を失うことになるので、それはそれでアメリカも困るだろう。しかし、この法律は、行政府にこの件に関しての例外をつくる権限を与えていない!)

とりあえず空いたポストの人事は不補充、会議・出張は凍結、事業も可能なものは延期、文書もページ数を減らすなどケチケチ作戦を展開したようだが、年末(ユネスコは暦年だ)に部署によってはコピー用紙がなくなったりしたらしい。

資金繰りのための運転基金というものがあったようだが、それでは足りず、とうとう緊急的な資金援助のお願いが出るようになった。

2011年末にはユネスコの事務局長が"generous donations"をありがとうとガボンと東チモールに礼を述べている。(ただし金額は不明だ)

2012年1月にはカタールが二千万ドルを拠出し、トルコが五百万ドル、コンゴが三百万ドル、カメルーンが29万ドル、ベリセが2万5千ドル、チャドが百万ドル、ナミビアが5万ドル、サウジアラビアが二千万ドルと各国がそれぞれ拠出している。

現在のユネスコの事務局長は、日本の松浦事務局長の後を継いだブルガリアのイリーナ・ボコバ女史が務めている。

このボコバ事務局長は、松浦氏の始めた行政改革路線を踏襲するとして就任したのだが、可もなく不可もなく、しかし、あれやこれやで中東・アフリカ諸国からの批判が強まり、来年に控えた事務局長選挙では中東・アフリカ諸国を中心に対抗馬を立てる動きが加速しつつある。

現在、有力な対抗馬として名前が挙がっているのは、かつて東京で外交団長を務めた、つまり最も長く東京で大使を務めていた、ジブチのファラー前駐日大使のようだ。

ユネスコには現在、195の加盟国と8の準加盟国があるが、ユネスコの事務局長選挙は総会で決まるのではなく、来年秋の総会の直前に開かれる58カ国からなる執行委員会で有効票の過半数を得た候補者が総会に推薦され、総会が信任する。

松浦路線を踏襲しているはずのボコバ女史か、日本となじみの深いファラー氏か、日本のユネスコ外交が試されることになる。



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