政府はホルムズ海峡封鎖の意味がわからない!

2012.05.17

政府は、ホルムズ海峡封鎖の意味がわからない!?

原油の8割が通過するホルムズ海峡封鎖に対する対策を政府はほとんど考えていないという答弁が出てきた。

危機管理に対する意識の低さには驚くばかりだ。

以下、ホルムズ海峡封鎖に関する質問主意書に対する政府答弁。

問い 原子力行政が国民の信頼を失い、定期点検に入った原発の再稼働が困難になる中、イランの核開発問題をめぐってホルムズ海峡が封鎖される可能性がある。

ホルムズ海峡が封鎖された場合、日本のエネルギー供給にどのような影響があると政府は考えているか。封鎖後およそ何日目でどのような影響が出るか、政府の検討の結果を時系列的に述べよ。

答え 御指摘の「封鎖」の意味するところが必ずしも明らかではないが、我が国が輸入する原油及び石油ガスの8割以上、天然ガスの約2割がホルムズ海峡を経由して輸送されていることから、同海峡の航行の安全は、我が国におけるエネルギーの安定供給の確保にとって極めて重要であると認識している。

このため、一般論としては、同海峡を経由したエネルギー資源の輸入ができなくなる事態が生じた場合は、我が国への原油、石油ガス及び天然ガスの供給が減少するなどにより、我が国におけるエネルギーの供給に大きな影響を与える可能性があるが、かかる事態が生じた際の各エネルギー資源の備蓄の状況や需給の状況によって、影響が生ずるタイミング等が異なると考えられるため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。

解説 政府は「ホルムズ海峡の封鎖」の意味が本当にわからないのだろうか。

万が一の事態が生じたときに、どのような影響が出るか、「お答えすることは困難」という認識で、このような事態に対処できるのだろうか。

例えば地震はいつ来るかわからないが、それに対して、いろいろな想定を行って対策を立てておくものだ。

原油等の8割が経由して輸送されるホルムズ海峡が封鎖されるような事態で何も想定していないのだろうか。

問い ホルムズ海峡が現実に封鎖された場合、政府は、国内のエネルギー需要をどのように抑制するつもりか。

封鎖直後および封鎖後何日目にどのようなエネルギー需要抑制策を国民に対して求めるつもりか、現在の政府の計画を時系列的に述べよ。

答え 御指摘の「封鎖」の意味するところが必ずしも明らかではないが、ホルムズ海峡を経由したエネルギー資源の輸入ができなくなる事態が生じた場合は、国民に対し省エネルギーの要請を行うなど、過去の石油危機の際の対応状況を参考にしつつ、我が国の各エネルギー資源の需給状況に鑑み、需要抑制等について適切な措置を講ずることとしている。

解説 ホルムズ海峡封鎖の影響は、実質的な影響の前に心理的な影響も大きい。

政府は、まず、パニックを防ぐためにも、事前に行動計画をきちんとつくって、実体的な影響がいつどのように出始めるのか、国民に理解を求め、平静を保つよう協力を求めるべきではないか。国民にまず情報をきちんと伝えるのがパニックを防ぐ第一歩だという、SPEEDIを隠してきたあの福島の失敗から何も学んでいないのだろうか。

問い 原子力行政が国民の信頼を失い、原発の再稼働が難しくなる中でホルムズ海峡が封鎖される可能性が生じてから今日までの間に、万が一、ホルムズ海峡が封鎖された場合に、国内のエネルギー需給をバランスさせるために政府がとってきた具体的な対策を一つ一つ述べよ。また、その対策の目的と効果を述べよ。

答え 御指摘の「ホルムズ海峡が封鎖される可能性が生じてから今日までの間」の意味するところが必ずしも明らかではないが、我が国への原油や石油ガスの供給が不足する事態に備え、従来から、石油の備蓄の確保等に関する法律に基づき原油や石油ガス等の備蓄を行っている。

また、エネルギー資源の大部分を輸入に依存する我が国にとって、エネルギーの安定供給は必要不可欠であることから、従来から、原油、石油ガス及び天然ガスの生産国に対して、当該国の要望を踏まえた投資促進、技術協力等を行い、良好な関係を構築すべく務めている。

解説 政府は具体的に何もしていないのだろうか。次の質問に、日付を具体的に挙げて、これやった、あれやったと答弁しているのとは全く正反対に、具体的な行動が何も答弁で示されていない。

問い ホルムズ海峡が封鎖された場合、日本への天然ガスの供給に影響が出るのは必至であるが、日本への天然ガスの供給の維持を目的としてアメリカのシェールガスを輸入するために、イランによるホルムズ海峡の封鎖が取りざたされるようになってから、政府がとってきた具体策をとくに詳細に述べよ。

ホルムズ海峡が封鎖された場合、アメリカのシェールガスをどの程度輸入することができると政府は考えているか述べよ。

答え 御指摘の「ホルムズ海峡の封鎖が取りざたされるようになってから」の意味するところが必ずしも明らかではないが、米国本土から我が国への天然ガスの輸入が実現すれば、我が国への天然ガスの安定的な供給の確保に資すると期待しており、政府としては、平成24年3月29日に行われた枝野経産大臣とチュー米国エネルギー長官との会談、同日に行われた玄葉外務大臣と同長官との会談、同年4月10日(現地時間。以下同じ。)に行われた同大臣とクリントン米国国務長官との外相会談、同月30日に行われた野田総理とオバマ米国大統領との首脳会談等において、米国側に対して協力を求めてきているところである。

米国から天然ガスをどの程度輸入することができるかについては、事業者間の契約交渉次第であり、現時点においてお答えすることは困難である。

なお、現在交渉が行われている米国からの天然ガスの輸入は平成28年以降になると見込まれている。

解説 「御指摘の『ホルムズ海峡の封鎖が取りざたされるようになってから』の意味するところが必ずしも明らかではない」と、いちいち言わなければ文書が書けないのだろうか。



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