震災がれき Q&A その2

2012.03.09

Q なぜ、がれきを県外に搬出するかわりに、被災地に、がれきの焼却場を建設しないのですか?

A 焼却炉を被災地に建てます、建ててます!

宮城県の場合、石巻市に5基、名取市に2基、岩沼市に3基、亘理町に5基、山元町に2基、この他に仙台市に4ヵ所、気仙沼市に2ヵ所、南三陸町に1ヵ所、建設予定地があります。

Q どれだけのがれきを県外で処理するのですか。なぜ、全部、現地で処理しないのですか。

A 被災地の復興を10年で、というのが目標です。そのためにはがれきの処理を3年で終わらせて、本格的な復興にはやくつなげたいというのが目標です。

宮城県の場合、衛星写真からがれきの総量を1500万トンから1800万トンと想定していますが、1年目がもう終わってしまうので、3年での処理はかなり厳しいというのが現実のようです。

宮城県の場合、被災地を仙台市とその他4ブロックに分け、焼却炉を建設して、がれきの処理を実施しますが、その処理能力で3年で処理できないがれきが350万トンと、当初想定されていました。

350万トンは「県外」処理ではなく、「域外」処理、つまり被災しなかった宮城県の内陸部にも引き受けを要請しています。域外、県外あわせて当初の想定が350万トンですが、3年での処理を目指すと、この量は増えると想定されます。

Q がれきを現地で処理した方が雇用が増えて、被災地の復興のためになるのではないですか。

A ネットなどでこうした意見が広まっていますが、県などは早く復興を実現し、本格的な雇用を創出したいと考えています。

宮城県などに尋ねると、がれきの処理で生まれる雇用は、分別のところが一番数が多いだろうが、域外処理に出すがれきは、分別が終わってから出すので、あまり影響はないとのことです。

域外処理で、現地の雇用が若干減ることはあるかもしれませんが、本格的な復興で本格的な雇用を、早く、たくさん創り出すほうが、少々の雇用を生み出すために、がれき処理に時間をかけて、復興を遅らせるよりも、はるかに被災地のためになります。

Q ある横浜市議のブログに、
「今何もない沿岸部に、発電もできるごみ処理工場を最先端の技術を持っている横浜市が建てて、現地の人たちがごみ処理場建設から灰の埋立まで携われば、漁業が復活するまで時間は稼げるし横浜にとっても、本当の意味の被災地支援になるはずです」

「放射能汚染の有無にかかわらず、市としては瓦礫を受け入れず、横浜市の焼却場を被災地につくる議論を進めたいです」と、ありますが。

A 今回現地に建設される焼却炉は、かなり大きなものです。がれき処理が終われば、その後は焼却炉に持ち込まれるゴミの量は以前に戻りますので、自治体が持っている焼却炉で対応可能です。

焼却炉のほとんどはがれき処理が終わると解体され、地権者に土地を戻すことになります。ですから、最先端技術よりも、はやく建てて、はやくがれきの処理をするのが大切です。

焼却の問題と同時に、焼却灰の処理も地域の処理場だけではやりきれないので、域外処理をお願いしています。

また、焼却炉の建設から運営に関しても、最初から現地の雇用を生み出すことが入札の条件になっています。

被災地にとって大切なのは、がれき処理が生み出す雇用ではなく、一日も早く、本格的に地域を復興させることだと思います。そのためには、がれきの処理を3年で、まず終わらせることが大切です。

Q 岩手県の岩泉町長は、時間をかけてでも地元で処理した方がよいとおっしゃっているようですが。

A 町長から直接お話を伺っていないので、意図をよく理解できているかどうかわかりませんが、岩泉町の場合、環境省のデータによると、がれきの総量が4万2千トン、すでに解体するものを含め、ほとんど仮置き場に移動できています。

これが、たとえば陸前高田市だと101万6千トン、気仙沼市136万7千トン、石巻市だと616万3千トンのがれきになります。

また、石巻市などは、仮置き場が一杯なので、仮置き場のがれきを焼却などで処理してから、壊れて残っている建物の解体を始めることになります。解体により生じるがれきを含めるとまだ、半分近くのがれきが仮置き場に集められていないことになりますので、処理を急がないと復興ができません。

また、仮置き場での火災が発生していますので、災害を防ぐ意味でも処理が急がれます。

被災地にも、様々な状況があります。

Q がれき処理は、東京のゼネコンの言い値の高価格で決まっていて、現地の雇用にもつながっていないのではないでしょうか。

A 宮城県はがれき処理のプロポーザル入札を終えていますが、県の予測した価格よりも全て安い価格で落札されています。地元業者が入ったJVでなければ応札できませんし、建設に関する発注などは地元の業者に出すことが求められています。

Q がれきを埋めて、そこに木を植えて森林をつくることもできるのではないですか。

A はい、仙台空港の近くなどで、宮脇昭氏等の協力を頂いたそういう計画があります。

ただ、有機物を埋めると、ものによっては硫化水素が発生したり、様々な問題が起きますので、そこに埋めることができるのは、コンクリートなどの無機物です。焼却すべきごみの量にはあまり影響がありません。

Q 被災地のがれきを県外に搬出したら、お金がかかるのではないですか。

A コストは確かにかかります。しかし、被災地の復興を早くやろうとすれば、必要なコストだと思います。

被災地には、当面、がれき処理の雇用があればよいという考え方には、私は賛同しません。本格的な復興を早く成し遂げて、本格的な雇用を創出するために、国の予算を使ってがれき処理をしてもよいと私は思います。



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