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あと20年で枯渇する年金積立金
2011.11.10
小宮山厚労大臣になってから、厚労省はやたらと年金「改革」案をぶちあげるようになった。
基礎年金の夫婦分割案、週20時間以上働くパート労働者も厚生年金の対象にする案、年金受給開始年齢を68歳まで引き上げる案、マクロ経済スライドをデフレ時でも発動する案などなど。
なぜこんなに年金「改革」に厚労省が急に熱心になったのか、しかも抜本改革ではなく小手先のつまらない改革に、と思っていたら、100年安心といっていた、つまり100年間年金の積立金が持つはずだったのに、積立金があと20年しかもたないという現実が迫ってきたからだ。
もちろん100年安心年金も、運用利回りが80年近く4.1%を維持され、国民年金の保険料納付率は80%近くまで急回復する等といった夢物語をベースにしているので、まったく根拠はないのだが。
2006年度に厚生年金と国民年金をあわせて149.1兆円だった積立金は、2011年度末に112.9兆円まで減少する。
5年間に30兆円以上の減少だ。国民年金等は本来、2035年ごろまで積立金が増えるはずだったのに。
年金保険料の未納が増え続け、国民年金の国庫負担分の三分の一から二分の一への引き上げの財源がずっと手当てされず、「切り札」のはずのマクロ経済スライドもデフレで発動されず、年金特会への繰入を一次補正の財源に流用され...。
学習院大学の鈴木亘教授がOSUという数理計算モデルで計算したところ、厚生年金の積立金は2033年、国民年金の積立金は2037年に枯渇する。
小宮山厚労大臣は、わけのわからん小手先の改革案で目先をごまかすのをやめ、現実をきちんと国民に説明すべきだ。
年金の抜本改革はまったなしだ。積立金が減り続ける前に、消費税方式の基礎年金と積立方式の二階部分に制度を移行しなければならない。