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未納問題が厚生年金に与える影響
2011.11.07
2011年8月末の時点で、国民年金保険料の全額免除が認められた割合が、22%に達した。年金保険料を納めるべき人のじつに五人に一人は免除扱いになっている。
国民年金加入者から、この22%を除いた78%のうち、年金保険料を納付した割合は、55%。つまり、全国民年金加入者のうち、42.8%、実に五人に二人しか保険料を納めていない。
また、2011年3月末時点の数字だが、20代前半の納付率は、49.2%、20代後半の納付率は46.6%、30代前半が50.9%と特に低くなっている。
この状況は、厚生年金にも影響を及ぼしている。
国民年金の保険料の未納が多くなったことから、厚労省は基礎年金という概念をでっち上げ、給与天引きで必ず保険料を取ることができるサラリーマンからも基礎年金の保険料を取ることにした。
そのため、国民年金の保険料未納が増えると、厚生年金にしわ寄せが来る。
本来、2010年の国民年金対象者は1451万人、厚生年金対象者が4168万人、共済年金等が544万人、合計6163万人という頭数で、基礎年金に必要な21兆0695億円を割って、それぞれの年金制度からの拠出金をだすことになっている。
しかし、国民年金に免除者と未納者がいるために、実際の2010年度予算では、国民年金はわずか915万人を対象として、厚生年金対象者は変わらず4168万人、共済年金等も544万人、合計5627万人で拠出金21兆0695億円を割って必要額を決めている。
その結果、厚生年金から基礎年金への拠出額は本来、14兆5621億円でよいはずなのに、15兆9132億円も支払うことになっている。
この差額1兆3511億円から国庫負担分二分の一を差し引いた6755億円は、本来、厚生年金が負担する必要のないものだ。厚生年金加入者1人あたり1万6200円程度を負担していることになる。
2010年度末の厚生年金の積立金113兆円からこの6755億円、約0.6%が減ってしまった。厚生年金とはなんの関係もない国民年金の未納者、免除者のために。
未納者、免除者をどうすることもできない現在の保険料方式から、未納者、免除者が出ない税方式に制度の抜本改革をしなければならない。