放射性物質を含む汚泥処理

2011.09.03

茅ヶ崎市の柳島の下水処理場を視察し、放射性セシウムを含む焼却灰の状況を確認する。

県内西部の処理場では、四之宮が7トン/日、柳島12トン/日、酒匂1.8トン/日、扇町0.6トン/日の加湿灰が出る。

この加湿灰の最新のセシウムの測定結果は、四之宮で1571Bq/kg、柳島で660Bq/kg、酒匂で692Bq/kg、扇町522Bq/kg。

この加湿灰は、土嚢に入れられて場内に積まれ、ブルーシートがかけられている。

5月9日以降、場内で仮置きされている灰の量は、四之宮て700トン、柳島で1580トン、酒匂252トン、扇町77トン。

9月末までに入札でテントハウスの業者が決まり、建築確認に入る。11月いっぱいにテントハウスが建ち、12月からテントハウスへ土嚢の搬入が始まる。

今年度分だけで柳島で五棟のテントハウスがいっぱいになり、7億円の費用が発生する。一時的には流域の自治体が地震災害に備えて積み立てている予備費を流用するが、東京電力に賠償請求をする。

来年度は、場内の空き地にさらにテントハウスを建てて、そこに加湿灰を詰めた土嚢を引き続き搬入する。が、柳島の場合、だいたいそこで土地はいっぱいになる。

国は、8000Bq/kg以下になった加湿灰は、管理型最終処分場に搬出して良いと基準を決めている。だから後は、地域で相談しなさい、と言うだけ。

しかし、8000Bq/kgもの放射性物質を含む加湿灰を受け入れてくれる処分場はない。そこで、加湿灰の場内仮置きになってしまう。国の基準は、実際の処分に関しては、あまりに非現実的だ。

100Bq/kg未満になれば、セメント会社が逆有償で引き取ってくれる。セメントの放射能基準が100Bq/kgなので、そこまで放射能レベルが下がらないと、セメント会社も逆有償でも引き取れない。

しかし、加湿灰のセシウム量は、なかなか下がらない。月単位ではなく年単位になると関係者は予測している。

つまり、加湿灰中のセシウム量が100Bq/kg未満になるまで、場内の仮置きは続く。セシウム量がそれ以下になれば、はじめて、仮置き分を少しずつ混ぜて、100Bq/kgを上回らないように注意しながらセメント会社に引き取ってもらうことになる。

しかし、その前に下水処理場内のスペースが無くなる。

国は、こうした現実を見据えて、単に非現実的基準を決めて、はいどうぞ、ではなく、実際に対応できるような支援をする必要がある。例えば、どこかに何ヶ所かの仮置きスペースを用意して、そこに東北、関東からの加湿灰を集めるとか。

自分で線量計を借りて計ると、処理場でも加湿灰から10m離れれば、0.06μSvの線量になる。加湿灰そのもののすぐそばでは0.35μSv、土嚢のすぐ脇では0.30μSv、ブルーシートの脇では0.27μSv、ブルーシートから5m離れれば0.06μSvだった。 



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