エネ庁、民主党、上関原発

2011.02.09

サンディエゴで、平成23年1月28日の民主党原子力政策・立地政策PTの上関原発に関する議論の議事録の写しを入手した。これを見ると、エネ庁って、ホント大丈夫か?
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K1:新規立地が進まない。現状を見て我々ができることを考えたい。

F:特措法が何とか延長された。詳細は省令で定める。

K2:民自公国で協議会を作る。メンバーは声をかけさせていただく。

K2:次回、上関原発の事業者である中国電力からのヒアリング、ビデオもあるので視聴したい。

N:反対しているのは町外か、地元か。反対の理由は。

エネ庁長官:祝島のほとんどは反対。上関町トータルでは賛成多数。現地のプレゼンスは反対が目立つ。理由は原発自体反対や環境面から反対といったところ。

K1:予定地の立地は祝島の対面。住民はどこに住んでいるのか。

エネ庁長官:西風がくるので島の東側。予定地の真っ正面になる。長島では四代に百数十人住んでいる。

K1:協定を結んでいるのに補償金を受け取らないなど、経緯がわからない。

エネ庁長官:予算成立後、現地に入ったが、反対派は外からの人もいるが、メインは祝島在住の方。

Y:質問に答えていない。

エネ庁長官:建設予定地は祝島から4km離れており、漁業ができなくなる。海産物が取れなくなる、というような理由*。他の原発では温排水に魚が集まり、そこに漁に来るということもあるし、環境影響評価を見てもそんな心配はない**。しかし反対派は聞く耳を持たない。

(*瀬戸内海は閉鎖性水域であり、原発の温排水による海水温の上昇や原発設備にカキなどの付着物がつくのを防ぐために使われる次亜塩素酸ソーダなどによる生態系や漁業への影響も心配されている。)

(**環境影響評価は2001年に確定したが、その後、スナメリ、ナメクジウオ、カラスバト、カンムリウミスズメなどの生息が確認され、都度、中国電力は追加調査を行っている。学会からは環境アセスメントの不備が指摘されている。)

K1:整理できていないからよくわからない。誤解、感情的なもの、イデオロギーによるとか、反対派がむちゃくちゃを言っているだけだから強硬に推し進めるべきなのか、それとも目の前に原発ができるから心情的には理解できるとか。

エネ庁部長:30年来のことであり、推進、反対、大きく分かれるのはどこでもあること。ボタンの掛け違いによって島内で一旦反対派が勢力大きくなり、住民の入れ替えもないのでそのまま島内では反対が多数というのが定着した***。反対理由は実害とイデオロギー的なもの。実害は裏でメリットもあり多くにも受け入れられると思うが、外からイデオロギー的なものを引き入れている。シーカヤックなどはならず者という者もいる。私見では、本当の反対派は少数****。中立、推進派であっても、反対派から誘われれば断れない。本当は補償金をもらえたほうが良いというのがマジョリティではないかと思う。反対派も振り上げた拳を下ろせないだけではないか。

(***祝島は農漁業の島。漁業者、農業者、その他商工業者にとっても原発計画はメリットがない。)

(****2010年にも漁協の正組合員の三分の二以上の賛成で補償金を拒否している。)

K2:昨年、有志を集めて現地調査を行った。2年間進捗ゼロである。エネ庁は何をしていたのか。次回、事業者の考え方、島の映像を見る機会を設けたい。

M:K2と相反することを言うが、昨年、慎重派30名とあった。彼らの大義名分は自然環境。黙って長い時間主張を聞いていた。中国電力の不備も何点かあって慎重になっているのもある。どちらの話もよく聞くこと。急がなければならないが話し合いをしていく姿勢が必須。

Y:不備とは何か。

エネ庁部長:上関ではなく、全体的なこと。具体的には昨年の島根原発での点検漏れ。
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ちょっとエネ庁の議論が乱暴ではないか?



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