アメリカ東海岸出張-3
2009.12.19
アメリカ東海岸出張-3
12月16日
08:00 ニューヨーク発
09:12 ワシントン レーガン空港着
10:30 CSIS意見交換会(-12:10)
マイク・グリーンCSIS日本部長、セチェイニーCSIS日本部次長、ビル・ブリアCSIS上級顧問、ラスト・デミングSAIS教授、ロビン・サコダ(アーミテージ・インターナショナル)、シーラ・スミスCFR上級研究員、ジェームズ・アービングトン(レイセオン)、マーク・マニン議会図書館東アジア研究員
12:15 アーミテージインターナショナル主催昼食会
15:30 ダニエル・イノウエ上院議員(-16:30)
17:00 リチャード・シェルビー上院議員(-18:00)
18:00 ハドソン研究所レセプション
18:30 在ワシントン スコット・ジョンソンフェロー夕食会
12月17日
09:30 ケント・カルダーSAIS教授(-10:30)
11:15 ペギー・マキーン国務省アフガニスタン担当部
12:00 カート・キャンベル国務省次官補
13:00 ロバート・トムキン コングレッショナルクォータリー
14:00 サイモン・ローゼンバーグ NDN所長(15:30)
16:30 エド・ギレスピ 前全国共和党委員長(-17:30)
18:30 ダニエル・イノウエ上院議員主催夕食会
12月18日
11:20 ワシントン発
ワシントンは医療保険改革で民主党と共和党が激しく対立している。
ダニエル・イノウエ委員長がとりまとめた国防予算案も、委員会は全会一致だったのに、医療改革の審議を遅らせるためにフィリバスターされ、フィリバスターを止める採決が金曜日の朝1時に行われた。
イノウエ議員は、夕食会を開いてくれたが、夜の12時にみんな登院しなければならないと笑っていた。
金曜日の朝1時の採決がうまくいけばそれから30時間の審議で採決になる。土曜日の朝7時だ。
イノウエ議員は正月に来日を予定している。沖縄と東京ということだった。
イノウエ議員の委員長室にお邪魔する。暖炉でまきが燃えていた。
議事堂の上院側には全部で暖炉が六つあるそうだが、そのうち三つはイノウエ議員が占領している部屋にあるそうだ。他の三つは上院の多数派院内総務と院内幹事、サージェントアットアームズの三人が一つずつ。
イノウエ委員長の部屋には、議事堂からモールを見下ろすバルコニーもある。
上院ではバルコニーが力の象徴になっている。金融改革法案のとりまとめをしているシェルビー上院議員のラッセルビルの部屋にもバルコニーがあって、議員が自慢気にバルコニーを見せてくれる。議事堂とワシントンモニュメントが夕日に映えてきれいだ。
もともとはテッド・ケネディ上院議員が何年にもわたり占領していた大きなバルコニーだそうだ。
ワシントンでは日米関係に対する危機感が強い。
国務省や国防省でも日本の担当者は頑張っている。日本担当者は、鳩山首相が小沢一郎の指示を仰がなければならず、参議院選挙までは普天間基地に関しては、なにも決断は無いということを前提に、それ以外の案件をこなそうとしている。
しかし、ジャパンハンドとよばれる日本担当者は、このままいくと政府内の企画セクションが日本は同盟国として信頼ができないという判断の下に戦略の企画を始めてしまうと心配している。
日本の安全保障にとって最も喫緊な課題は、北朝鮮の核ミサイルに対する抑止だ。
アメリカ政府内では、ICBMで抑止するというだけではきちんとした抑止をできないという考えが強い。戦略核から戦術核、通常兵器の選択肢を並べて抑止のオプションを広げなければならないというのがコンセンサスだ。
ただし、どういうオプションが必要なのかをアメリカが提案するよりも、日本がまず、オプションを求めるべきだという。なぜならば、非核三原則をはじめ、アメリカではなく、日本が決めなければならないことが多いからだ。
具体的な核抑止戦略を、日本国民に説明しながら、日本国民を巻き込みながら、議論していく必要がある。
北朝鮮の核ミサイル配備が現実味を帯びていく中で、鳩山政権がPAC3の予算を削ったことに対する疑問はアメリカ政府、アメリカ議会に共有されている。
MV22オスプレイは沖縄に配備されるだろう。アメリカ側から聞いていないというこれまでの外務省の説明はもはや通用しない。
面倒くさいことを先送り先送りしてきたから、せっかくの環境アセスと時間が無駄になった。きちんと決断をして国民に説明していくことが必要になる。
F22ラプターの日本に対する輸出は、書類上では可能性が残されているが、たぶんないだろう。
F35JSFにワシントンは傾いている。
アフガニスタンはかなり難しい状況にあるといわざるを得ない。
国務省はほとんど手詰まりだ。カルザイ政権の新しい閣僚、新しい州知事に期待するというだけで、具体的な戦略があるとは思えない。
日本が支払った警察官の給与が本当に警察官の手に渡ったのかどうかを検証するすべはどうやらなさそうだ。モバイルバンキングで確認ができるという話は、単なるお笑いぐさだった。
ベトナム戦争の時の国務省もこんな感じだったのだろうか。