早朝の銀座で空洞化探査

2009.05.11

5時、赤坂の衆議院宿舎ロビーで金子国土交通副大臣を待つ。
金子副大臣と電磁波探査車に乗り込み、銀座へ向かう。

朝5時に国土交通副大臣にお出ましいただくまでにはいろいろと経緯があった...

まず、(天下り団体)道路保全技術センターが行った「平成20年度路面下空洞探査分析」の報告書を入手して読む。

報告書によれば、スコープ調査の時期が、12月から2月と、3月の二回に分かれている。
スコープ調査をして空洞が判明すれば、補修を直ちに行わなければならず、スコープ調査の期間が東京国道、大宮国道、相武国道いずれも六週間程度、間が空いているのはおかしいとの指摘が国道事務所の関係者からよせられる。
しかも年度末の工事抑制期間にスコープ調査をやっているのは奇怪だ。

さらに不思議なのは、12月から2月までの調査より3月の調査の方が空洞が多く見つかっている。
2月末に国道事務所から今回発見された空洞の数が異常に少ないとの内部告発があり、国土交通省に指摘をしてきた。
だから3月に急遽、空洞件数を増やした、いや水増ししたと考えられる。

なぜなら、都心部で、平成十八年の調査では、車道で空洞が68か所発見され、そのうち58か所が補修されている。それに対して、今回は空洞が42か所見つかったことになっているのに補修したのは3か所しかない。
(ちなみに平成十六年の調査では、78か所の空洞が見つかっている。ゲリラ豪雨の影響で、今回の都心部の空洞はそれよりむしろ増えているはずだ)。

なぜ42か所の空洞のうち、3か所しか補修されていないのか。

答えはほぼわかっている。

42か所の空洞というのは、大半がでっち上げだからである。
(天)道路保全技術センターに、空洞探査の技術はない。そして、調査しても空洞が発見されなかった。国道事務所の現場は、このまま空洞が見逃され、陥没事故が起きれば責任問題になる。だから、空洞が見つかっていないとの内部告発が出た。それを国土交通省に指摘したとたんに、国土交通省と(天)道路保全技術センターが共謀し、空洞を増やした。
存在しない空洞を補修することはできないから、空洞数に比べ、補修数が異常に少ない。

なぜでっち上げだと言えるかというと、素人の僕でもわかるレベルのでっち上げだからだ。

例えば大宮国道の発注した報告書を見ていくと、空洞だというスコープ写真が出てくる。空洞の発見場所は、そのページの地図上にマークされている。
ある空洞は、なんと川にかかった橋の上にマークされている!!
そりゃでかい空洞だぜ。

他のページを見ていると、空洞のスコープ写真が、他のページのスコープ写真と同じものが貼ってある!

空洞のスコープ写真は、空洞部分が真っ暗に写る。
ところが空洞だと指摘された部分に砂利や礫が写っているスコープ写真がある。つまり、空洞が小さい。もっといえばそれは空洞ではなく、スコープを入れた穴。
そこに写っている砂利や礫が全く同一で、砂利層やアスファルトの厚みが全く同じ数字なら、同じ写真だ。それが全く違う場所の空洞の写真として貼ってある。

結論から言うと、東京国道の発注した都心部の空洞調査で発見されたとされる42か所の車道上の空洞のうち、実際に空洞と思われるものは17か所、さらにそのうちの4か所は平成十八年に発見された空洞で、小さいので当面は補修の必要なしと判定されたものであることがわかった。
つまり、(天)道路保全技術センターが発見した空洞は13か所だけ。前回は68、四年前は78の空洞が発見され、今回はゲリラ豪雨の影響で空洞が増えていると予測されているにもかかわらず、13しか発見されていない。

東京国道事務所管内では、あまりに空洞が多いため、空洞調査と補修にかかる費用の四分の三は、JR、都営と営団地下鉄、水道、ガス、電気、下水道などの占用企業が負担し、国が残りの四分の一を負担する。
ということは、(天)道路保全技術センターのでたらめな調査も四分の三は占用企業が費用負担をしていることになる。
各企業のご担当の皆様、この調査でよろしいんですか?

さらに不思議なことは、この調査に対して、国土交通省は評価点をつけている。東京国道の調査に対して72点、大宮国道の発注した調査に対しては76点がつけられている。
この評価点で70点を超えた点数がつくというのは、非常に高評価ということだそうだ。

(天)道路保全技術センターの今回の調査結果がきわめていい加減であることは、国土交通省の専門家ならば一目で見破る。国道事務所の現場が悲鳴を上げているのだから、技術者でなくとも問題があることはわかる。

そんなものに対して、こんな高い評価をつけたこと、さらにそれに対して役所内でチェックが何も働いていないことを考えると、これは国土交通省という組織ぐるみで不正が行われたと結論づけざるをえない。

既に五反田の国道では、空洞化による問題が発生している。
東京都の調査では、(能力のある専門家が調査したので)日比谷通りに深さ8mの空洞が発見されている。(穴の大きさが1m×1.5mということからかつての調査抗の後だと思われる)。
東京都の調査ではゲリラ豪雨の影響か、例年よりはるかに多い空洞が既に見つかっている。

大阪市は、(天)道路保全技術センターの調査があまりにおかしいため、再調査になりそうだ。
京都市も、四条烏丸など例年30か所ぐらい空洞が発見される大通りで、(天)道路保全技術センターが調査したら、全く空洞が見つからない。祇園祭のコースで道路が陥没したらえらいことになるので、再調査が検討されている。

...金子副大臣を乗せた探査車は、銀座の中央通りを走る。と、LIONとZARAのあたりで電磁波が空洞と思われるシグナルをとらえる。(天)道路保全センターの調査では見つかっていない場所だ。
道路表面から80cmのところに空洞の頂点があり、2m×1.5mの大きさの空洞を発見。
これをはじめ、中央通りに数カ所の空洞があることを見つける。

宿舎に戻ると大島国対委員長が朝の散歩に出かけるところ。外務委員長と国土交通副大臣とこの異様な自動車で何をしとるんだ?
何、空洞探査。ほお、こんな早朝から仕事をしとるんか。自分たちのジバンも空洞化しないようにせえよ。

ということで、実は、XXXからXXXまでの約3kmを事前に能力のある専門家に調査してもらっている。
(天)道路保全技術センターの調査ではこの区間に三か所の空洞があることになっている(そのうち一つは前回調査で見つかって経過観察になっていたもの)。ところが実際にはこの区間に42か所の空洞があると思われる。

金子副大臣に、この42か所を専門家にスコープ調査させること、そのときに、一部でもよいので副大臣に立ち会っていただきたいこと、そして、調査をマスコミに公開することをお願いする。

事故に直結しかねない今回の偽装は、重大だ。
(天)道路保全技術センターと国土交通省でもみ消しを図った人間に対する厳正な処分をしなければならない。



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