委員長報告-グアム協定
2009.04.15
グアム協定が火曜日14日に本会議にかかる。
その日の議題の一番なので、委員長報告も一番手。
週末に気合いを入れたものを作成し、委員部にこれでいこうと思うけれど、どう、と送ると、月曜日の朝一番に電話が来て、委員長報告ですけれど、あれはまずいです。
どこが、と尋ねると、
まず、委員長報告は、衆議院規則に、委員長個人の意見などを述べてはならないと明確に書いてあります。かつて個人の意見だとして議事録から削除された委員長報告もあります。今回のは委員長の個人的な意見だらけですから、まずいです。
それと、長すぎます。委員長報告には時間制限のルールはありませんが、だいたい一分半ぐらいです。あれだとはるかにそれをオーバーします。
うーん、規則違反じゃしょうがねえ。書き直すか。
と、明日の採決で、野党が討論をやりたいという声もあるという話が聞こえてくる。討論があるならば、野党は反対の理由を言うだろうから、委員長報告に野党の反対理由を述べる必要はない。
が、結局討論はなくなったようなので、やっぱり反対理由を入れ込む。
で、書き直したのが約七分。うーん、もう一声と、さらに短くして五分。当日、臓器移植の大会を退席してから院内の誰もいない部屋で時計を片手に演説しながら、微調整。
小野寺理事から、また原稿読まないのといわれるので、原稿なしと答えると、大丈夫か?
この協定、題名が長い。
『第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件』
出だしはこんな感じになる。
「外務委員長の河野太郎でございます。
ただいま議題となりました『第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件』について、外務委員会の審査の経過及び結果をご報告申し上げます。
本件は、3月26日に外務委員会に付託され、27日に中曽根外務大臣から提案理由の説明を聴取し、4月3日から質疑に入り、6日には沖縄を視察し、仲井眞知事や高嶺沖縄県議会議長、ジルマー在日米海兵隊司令官などと懇談し、8日に参考人から意見を聴取し、10日には麻生内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行うなど慎重な審議を行いました。(以下略)」
本会議で配られる議案に、この題名が書いてあるから、出だしでここを間違えると全員にばれる。そこは特に念入りに練習して、議題の一番なので、本会議場の最前列で待機する。議長が、外務委員長河野太郎君と呼び出すやいなやさっと壇上に上がり、よどみなく、と思ったらつっかえた。すぐ思い出しだのだが、みんな心配そうにこっちを見ているものだから、わざと間を開けて、にこっと笑う。
「採決の結果、自民党、公明党が賛成、民主党・無所属クラブ、共産党、社民党が反対」と述べていると、「国民新党はどうした」とヤジが入る。「馬鹿者、国民新党は外務委員会にいないんだよ」と思うがヤジに答えてはいけないというルールがあるので、無視。
練習よりも時間がかかりそうなので、二か所カットして、終える。
(本会議終わって部屋に戻ったら、うちの政策秘書に、二か所カットしましたねとずばり指摘されてしまった)。
おそらく野党多数の参議院で否決され、両院協議会ということになるのだろうが、条約は衆議院が優位なので、解散がなければ今国会で成立となる。
普天間基地と嘉手納基地の夜間の訓練について、米軍から詳細なデータとその理由をとる。
普天間では、今年に入って午後十時から十一時までの訓練件数55件、11時から12時まで10件、12時から朝6時まで訓練実績なし。この65件の大半がXXXXXX訓練だという。
その説明には納得がいかないので、外務省からきちんと問い合わせをしてもらう。
もし本当にXXXXXX訓練ならば、沖縄全体で、少し知恵を出してもらって負担軽減ができるのではないか。
嘉手納でも同様の調査をお願いすると共に、沖縄の各自治体からの問い合わせを全部出してもらって、外務省から米軍に問い合わせしてもらうように依頼する。沖縄の信頼を勝ち得るためには汗を流さなければ。