外為特会

2008.10.17

外国為替資金特別会計、略して外為特会または外為資金特会と呼ばれる特別会計があります。為替相場が円高に振れるときに財務省が為替介入して円高を防ぐための資金です。

円高を阻止するための為替介入をするときは、まず、政府が、国債の一種である政府短期証券を発行し、金融市場から円資金を借金します。そして、外国為替市場で、この円資金を売って、ドルを買います。(大量の円が売られるわけですから、円の値段は安くなります!)

政府の手元には多額のドルが貯まりますが、ドルの現金を持っていても金利はつきませんから、手元のドルでドル建ての債権、つまりアメリカ国債を購入します。

この特別会計では、政府短期証券を発行することにより借金した円資金が負債になります。そして、円を売ってドルを買い、そのドルで買ったアメリカ国債が資産になります。

具体的に例を挙げましょう。一ドル百円のときに為替介入をしたと仮定します。百円分の短期証券を発行し、手元に百円入りました。これを売って一ドルを買いました。その一ドルでアメリカ国債を一ドル分買いました(手数料などは無視します)。このとき、負債は百円、資産は一ドルです。資産の一ドルを円換算すると百円ですから、負債は百円、資産は百円です。

さて、この後、円安になり、一ドル百二十円になりました。外為特会の負債は百円、資産は一ドルです。では資産の一ドルを円換算してみましょう。百二十円になります。つまり、為替介入したときよりも円安になれば、負債よりも資産の方が大きくなります。

では反対に、円高が進み、一ドル九十円になったらどうなるのでしょうか。外為特会の負債は百円、資産は一ドル、これは変わりません。では、資産を円換算すると、九十円。負債の方が資産よりも大きくなります。

現在、円の金利よりドル金利の方が高くなっています。だから、この特別会計のために政府が発行する円建ての政府短期証券の金利、つまり日本政府が払う金利、よりも特別会計で保有しているドル建てのアメリカ国債の金利、つまり日本政府がもらう金利、の方が高いのです。毎年、この金利差で、特別会計には三兆円近くの収入があります。そして、この特別会計から一般会計に二兆円近くが繰り入れられているのです。

では、ドル債を持っているときに円高になったら、どうしますか。先ほどみたように、一ドル百円で、この特別会計は資産と債務がとんとんになります。それ以上円高になると、資産よりも負債が多くなります。つまり、手持ちのアメリカ国債を全部売却しても借金を返せなくなります。

さらに、もし、円の金利が高くなって、ドル金利が低くなって、金利が逆転したらどうしますか。一般会計から金利の差額分を支払わなければなりません。

この外為特会の出口をそろそろきちんとしておかなければなりません



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