特措法「新法」に反対

2007.09.25

テロ特措法は、正式には「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成 のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」と呼ばれます。
日本一長い名前の法律だそうです。

この法律に基づいて、我が国は自衛隊によるインド洋での給油活動を行ってきましたが、今年11月1日に法律の期限を迎えます。
これまではこの法律の期限が来るたびに、一年、又は二年の延長をしてきました。そして、法律が延長されるたびに、基本計画はすでに国会で承認されているので、再承認は必要ないと国会承認は行われませんでした。

現状では、参議院で多数を占める野党が反対の立場を維持しているため、参議院で法案の延長は否決され、衆議院の再議決が必要な状況です。しかし、そ のためには参議院送付後六十日間待たなければならないので、法律の失効前に現行法を延長することは大変難しいといわざるを得ません。
そのため、インド洋での給油活動を継続しようとするならば、もう一度、テロ特措法を国会で制定し直すことが必要です。

衆議院で法案を可決し、野党が過半数を握る参議院がそれを否決しても、衆議院が三分の二の再議決をすれば法律は成立しますが、法律の成立だけでは給油活動を継続することはできません。

現行のテロ特措法はいわばメニューのようなもので、このメニューの中から選んだ活動を自衛隊が開始してから二十日以内に、その活動を国会が承認しなければなりません。
現行法を延長するのではなく、一度法律が失効し、あらたに法律を制定し直したときは、国会の承認、つまり衆議院と参議院のそれぞれの過半数による承認が必要です。参議院が否決しても衆議院の三分の二で再議決できるという規定は国会承認にはありません。

野党が過半数を握る参議院は給油活動を承認しないため、仮に再びテロ特措法が国会で成立しても、給油活動を再開することは事実上できません。

そのため、現行のテロ特措法に代わる新しい法律を国会で可決しようという考えが浮上しています。「新法」は、現行法のように活動のメニューを提示するのではなく、最初からインド洋上の給油のみを認め、法案の成立イコール国会承認であるという考え方をとります。

私はこの考え方に「反対」です。

なぜならば、現行法では、軍隊(自衛隊)を動かすために両院の承認が必要であるのに対し、新法では衆議院の再議決だけで軍隊(自衛隊)を動かすことができるようになります。これは、シビリアンコントロールを弱めることになります。

たしかにテロとの戦いに日本も参加することは大切だと思います。しかし、それは法律に基づいて参加するべきで、参加するために法律を変えるべきではありません。

もし、衆議院が解散され、総選挙後の国会で、衆議院が可決し、参議院がそれでも反対という状況ならば、衆議院の再議決でよいという考えをとることもできると思います。しかし、現時点で軍隊(自衛隊)を動かせるように法の規制を弱めようという考えには反対です。

日本が参加できるテロとの戦いはインド洋の給油活動だけではありません。インド洋の給油の代わりに、中東問題の核であるパレスチナに対する支援にさらにしっかりと関わっていくことも大変有力な日本の選択肢です。

軍隊(自衛隊)は法律の枠組みで動かすべきで、軍隊(自衛隊)を動かしやすくするために法律の要件を緩和するべきではないと思います。

現在のテロ特措法の国会の事後承認を事前承認に修正して、国会に提出し、世論の支持を得た上で、民主党の長島昭久代議士や馬淵澄夫代議士、浅尾慶一 郎参議院議員などの衆議院、参議院の良識派の賛成を得て、法案を成立させ、国会の承認を受けて、堂々と自衛隊を派遣するべきです。



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