消えていない5000万件

2007.05.30

5000万件の年金番号の件で、マスコミや野党の説明ぶりがやや不必要に不安を煽ることになっているような気がする。

5000万件とはなにかというと「だれかの年金手帳に載っているが、オンライン上のその人の基礎年金番号に統合されていない年金番号」のことだ。
つまり消えているのではなく、だれかの年金手帳に載っている番号であり、ミスでそうなったのかといえば、大部分はミスでも何でもない。

平成九年に基礎年金番号ができるまで、年金番号は二億件あったのだ。
なぜ、人口よりも多い数の年金番号があったかといえば、それまでは仕事を変わるたびに年金番号が新しくついたから。

かつては、厚生年金の人が転職すると転職先で新しい厚生年金番号がついた。
国民年金の人が就職すると厚生年金番号が新しくつく。国民年金の人が就職し、厚生年金番号がつき、退職して国民年金になるとまた新しい番号がつく。
国民年金の人が他の市町村に引っ越しても番号が変わる。
ずっと同じ企業に勤めれば、一つの厚生年金番号で終わり、同じ場所で自営業を営めば、一つの国民年金番号で終わる。

平成九年に基礎年金番号が導入された。
新しく一億件の基礎年金番号が導入され、それまでの二億件の年金番号を、この新しい一億件の番号に統合することになった。

基礎年金番号が導入されて以降は、全てこの番号で管理されるので、新しい年金番号はつけられない。

基礎年金番号以前の二億件の年金番号の統合は、それぞれ個人の年金手帳に自分の過去の年金番号が記載されているので、年金手帳を無くしたりしない限り、全て把握できる。
二億件の年金番号にはどの年金手帳に載っていますよという年金手帳番号(正式には被保険者番号)が載っている。

年金手帳を無くして再発行を受けたりして、年金手帳が複数あったりした場合、無くしてしまった年金手帳に記載されていた年金番号が統合されないケースはありうる。
そうでない限り、年金手帳があれば、基礎年金番号までの年金番号はそこで把握できる。

「消えた年金5000万件」などと言われるが、5000万件のうち、2200万件は、60歳未満の人たちの年金手帳に載っているこうした年金番号の数だ。
だから現在、60歳未満の人たちが年金を受ける年齢になったときに、年金手帳の年金番号は基礎年金番号に統合される。
ただ、年金の支給直前に統合されるよりも、もっと早い段階で統合しておけば、問題も少なくなるだろうということで、統合を早めろと僕はうるさく社会保険庁に文句を言い続け、みんなにうるさがられている。

残りの2800万件は、すでに年金を受けている年齢に達したと思われる人の番号だ。

可能性として、対象者が年金受給開始前に亡くなって、年金手帳による統合をおこなっていないもの、対象者が年金の受給資格がないため、年金の裁定がおこなわれていない(そのために年金手帳による統合がおこなわれていない)ものが大部分だろうと推定される。

しかし、この中には、無くしてしまった年金手帳に載っていた年金番号があるだろうし、氏名、生年月日などが違っていて統合できなかったものもあるはずだ。
だから、今回、2800万件の統合されていない年金番号の氏名と生年月日、性別を今、年金を受給している3000万人の氏名と生年月日、性別と照らし合わせて、ひょっとして漏れている可能性がありそうな人に、通知を出すことになったのだ。

だから5000万件は、消えたわけではなくて、2200万件は今後、その年金番号が載った年金手帳を持った人が年金をもらう年齢に達するごとに、基礎年金番号に統合されていく。
もちろんスピードアップすべきではある。

2800万件の大部分はお亡くなりになった方と年金の受給資格がない方の年金手帳に載っていた番号で、これらは統合される機会が無かったため、いわば宙を漂っている番号だ。
しかし、この中には統合漏れが必ずあるはずなので、再チェックをかける。

このほかに、年金手帳を無くしたりしたが、加入があるはずだという申し出に基づいて調べた結果、マイクロフィルムや市町村の記録が確かにあって、オ ンライン上に無かったのが29件、マイクロフィルムや市町村の記録にも無かったが領収書などがあって記録確認ができたものが55件。
だからこの29件と55件こそが、たしかにこりゃえらいこっちゃなのである。
物を作っているメーカーからすると100万件で29件と55件というのは異常に高い不良品率と言わざるを得ない。
だから社会保険庁の記録チェックは必要なのだが、5000万件が消えたということではない。
この記録ミスと5000万件は、別物だ。

という説明を、みのもんたさんが番組でやってくれれば、不必要な不安はなくなるし、それぞれ何をチェックするべきかもわかるのではないだろうか。



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