日本の原子力政策は間違っている

2006.07.03

mixiに「河野太郎と語る日本の未来」というコミュニティを立ち上げました。
年金改革、そして日本の原子力政策に関するみなさんのご意見をお待ちしています。

アメリカへ渡って移植手術を受け、残念ながら亡くなられたあやかちゃんのご両親とあやかちゃんをすくう会の皆様に法務省までお出かけを頂きました。
あやかちゃんのことを忘れないように、活動を続けて行かれるようです。
国会も臓器移植法の改正をしっかり実現しなければ。

核燃料サイクルに関して、何が問題なのか。
なぜ、ウランはイエス、プルトニウムはノーなのか。

普通の原子力発電所はウランを燃やす。ウランを燃やすと使用済み核燃料が出る。この使用済み核燃料を処分するのがワンススルー、つまりウランを一回燃やしてお終い、という方法。
それに対して、使用済み核燃料を再処理して、プルトニウムを取り出すということを日本はやっている。

プルトニウムは、もし高速増殖炉という技術が完成すれば、高速増殖炉の燃料として燃やすことができる。高速増殖炉でプルトニウムを燃やすことができれば、投入した燃料よりも出てくるプルトニウムの方が多いという夢の技術だ。
しかし、高速増殖炉は三十年前に三十年後の技術だと言われ、現在は、政府ですら2050年以前に実用化するのは難しいと認めている。
高速増殖炉の実験炉であるもんじゅは数年前に事故を起こし、停止しているのが今の日本の現状だ。

プルトニウムを燃やすことができないのに、日本では、六ヶ所村に再処理工場を建ててプルトニウムをとりだし始めている。
北朝鮮の5kg、10kgのプルトニウムで六カ国協議が開かれ、大騒ぎになっているが、日本が保有するプルトニウムは既に40トン、キロではなくてトン、にのぼる。
プルトニウムは核兵器の材料になりうるので、使用目的のはっきりしないプルトニウムを保有することは国際的にも認められるものではない。
六ヶ所村の再処理工場は毎年8トンのプルトニウムを取り出す。

プルトニウムの処理に困って、プルサーマルなるインチキが今、国内で始められようとしている。
プルサーマルとは、ウラン燃料にプルトニウムを混ぜてMOX燃料と呼ばれる燃料を作り、それを普通の原子力発電所で燃やそうというもの。高速増殖炉と違って、燃やして終わりである。
ウラン燃料にプルトニウムを混ぜるのでウラン燃料が一割程度節約できるが、そのためにかかるコストは莫大なものになり、その費用でウランを買って貯蔵した方がまだ安いぐらいだ。

本来、日本政府が目指していたのは高速増殖炉でプルトニウムを燃やすことだったのだが、それが難しいのでプルサーマルなどというデタラメを考え出したのだ。

なぜそこまでしてプルトニウムの抽出をするかといえば、原子力発電所に付属している使用済み核燃料の貯蔵プールが一杯になりつつあり、このままいけば近い将来、原子力発電所の運転を止めなければならなくなるからだ。
原子力発電所の運転が止まれば、電力会社には多大な損害が発生する。
貯蔵プールの使用済み核燃料を六ヶ所にある貯蔵施設に移すことができれば、発電所を止めなくて済む。しかし、六ヶ所の貯蔵施設に使用済み核燃料を移す条件 は、再処理工場を稼働すること。つまり青森県は、使用済み核燃料の捨て場にはなりたくないので、再処理のための一時貯蔵でなければ、使用済み核燃料を六ヶ 所に移動することを認めていない。
だから、原子力発電所の運転を止めないために、使用済み核燃料の貯蔵プールが一杯にならないように、使用済み核燃料を六ヶ所の貯蔵施設に移動できるように、六ヶ所の再処理工場を稼働させ、プルトニウムがどんどん増えようとしている。

この一連の動きにかかる莫大な費用は全て消費者の電力料金に上乗せされるし、意味のないプルトニウムの保有は増えるし、核兵器の燃料になりうるプルトニウムはテロリストに狙われるおそれが大きい。
そしてほとんどメディアがこの問題を取り上げることなく、国民の大多数がこの問題に気がつくことなく、壊れた機関車が断崖に向かって突っ走るように日本の原子力政策は自爆しようとしている。

ウランを燃やすのは良いが、プルトニウムを高速増殖炉もないのに燃やすのは間違った政策だ!



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