2005年1月27日号

2005.01.27

マスコミから議員年金に関するテーマで来週の番組の出演以来がいくつか来る。
が、移植手術後3年目にして初めてCTで肝臓の姿を見る検査ができることになっており、今さらその日程を替えるつもりもないのでお断りした。
なので議員年金に関する私見をここで少し述べる。

まず第一に、議員年金、年金未納、社会保険庁に関する特集は多いのだが、年金制度そのものをどうするかというマスコミの取り上げ方が少ないことは問題だと思う。
議員年金と年金未納と社会保険庁の問題は、取り上げる方からすればおいしい。現に問題があるわけだし、探せばゴルフボールにマッサージ機になんにかんにと見つかるし、どうしようもない議員ととんでもない社会保険庁と間抜けな年金未納者をけしからんですねと言っていれば確かにスカッとする。
だから確かにマスコミはこの問題を取り上げるべきだ。
しかし、年金問題を真に解決するためには、年金の問題、つまり確定した年金債務と年金資産の差をどう埋めるのかということを議論しなければならない。年金問題の解決は、保険料を上げるか、支給額を減らすかしかない。だから制度自体をどう変えて、払う方ともらう方のバランスをどうするかを議論しなければならない。
議員年金と年金未納と社会保険庁だけを取り上げていても、国民の年金問題は解決しない。そろそろマスコミは年金制度そのものをどうするかということをしっかり取り上げていく必要がある。年金制度の議論は、議員年金や年金未納や社会保険庁以上に時間をかけた特集をやり、時間をかけて議論するべき問題だ。

第二に、両院議長の諮問に対する答申の取り扱いをどうするか。
個人的には、答申の内容は、なんだよ、こりゃという気がする。年金をやめて退職金にするべきだという僕の主張から見れば、中途半端だ。
しかし、これは共産党をのぞく全ての政党が議長に対して、議長の下に諮問会議をつくってそこに諮問をしてくれと申し入れて始まったことだ。各党の国対委員長がそろって議長のところに行って申し入れた。もちろん議院運営委員会でも承認されている。
あの時に、両院議長の下に諮問機関をつくるのなんかダメだと言って反対もしなかった人間が、結果を見てとやかく言い出すのでは、物事を決めるルールがなくなってしまう。
衆議院、参議院両院の総意でやって、出てきた答が気にくわないからこれはダメだというのはおかしいことになる。諮問はするけれど内容が気に入ればオレは受け入れるし、内容が気に入らなかったらオレは受け入れないというのでは、院の権威もヘチマもない。
かつての参議院の斉藤十朗議長の議長裁定を、気に入らないからといって蹴飛ばした当時の執行部と同じことになる。
議長に下駄を預けた諮問や裁定は、尊重するのが民主主義のルールだと思う。

第三に、議員年金の問題だけでなく、議員の待遇の問題がある。
選挙のたびに出たい人より出したい人というキャッチフレーズが踊る。しかし、現実は本当に出したい人はなかなか出てくれない。
今の国会議員や地方議員の質をあなたはどう思っているだろうか。
(すみません、自分は棚に上がっちゃった言い方ですね)
今の日本には、もっといろいろな分野から能力のある人材を政界に引っ張ってきて年功序列に関係なく登用していく必要がある。単に耳障りのいいことだけを言って、当選して議員になれれば何でもやる、何やっても良いという政治家にはお引き取り願う必要がある。
これからの日本の国は、能力のあるきちんとした政治家を輩出することができれば栄えるだろうし、そうでなければ没落する。
これからの地方は、しっかりしたリーダーを選ぶ地域は発展していくし、そうでないところは沈滞する。
だから、どうやって出したい人を選挙に出すか、国と地方の死活問題だ。
が、なかなか出したい人はうんと言わない。
その理由の第一に、政治なんてまともな人間がやることではないという意識がある(みんながそう思っているわけではないと思うが、数人の出したい人から面と向かって言われた)。
第二に、ある分野で一流の能力を発揮し、活躍している人が、今の政治のやり方だと選挙に当選したとたんにぞうきん掛けになる。そりゃ、馬鹿馬鹿しくもなるだろう。それなら今の分野で、今の地位で頑張っている方が世の中のためになると思われている。
第三に、待遇の問題だ。歳費だけの問題ではない。秘書給与や選挙区の事務所の費用、その他の政治活動費をどう捻出させるのか、せっせとパーティ券を売り歩かせるのか。(僕は個人的には政治活動にかかる資金は公的に支出し、そのかわり一切の資金集めを禁止する。年末に全ての領収書と剰余金を返還させて全て情報公開するのが良いと思う。電力会社にパーティ券を買ってもらわなきゃいけないから核燃サイクル賛成なんて議員も出なくなるだろう)議員は常に選挙の審判を受けるわけだから、万一落選した後に、そのままほっぽりだすのか、首長のように何らかの退職金を出すのかなど議員と議員の活動に関わる金を全て一括で議論する必要がある。
出したい人を金で釣るわけではない、金で釣られるならば出したい人ではないだろう、だが、出したい人が議員になるならば、トータルでどういう待遇を与えるべきかという議論は必要だ。
二の足を踏む理由は、歳費や議員年金というよりも、活動費の捻出の問題の方が大きいかもしれない。議員年金の議論だけでなく、政治の活動費をどう捻出させるのかという議論もぜひやるべきだ。核燃サイクルの40兆円の国民負担が議論もなく決まった裏には電力関係の政治資金とテレビその他のマスコミへの電力関係の広告宣伝費がある。

今の糞みたいな議員どもに国庫負担率の高い年金を払うのはけしからんとおっしゃる方も多いと思う。
だから議員年金をやめちまえ! で、日本が良くなるだろうか。
まず、二十一世紀の日本をきちんと引っ張れるリーダーをどうやって政界に引っ張り込むかをぜひ議論して頂きたい。
そしてトータルでどういう待遇を議員に与えるかを考えてほしい。
そして、そういう待遇を与えられた議員のポジションに、それにふさわしい人間を選んで頂きたい。
4月には補欠選挙がある。



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