2004年9月12日号

2004.09.12

朝ご飯のテーブルで、昨日パンダを見てきたペシ坊にヨーグルトを食べさせながら愛妻が「パンダさんは笹の葉っぱを食べるんだよ」パンを食べていた僕は、「ペシ坊、パンダさんは何を食べるか知ってる?....パンだ」「あなた、なに馬鹿なオヤジギャグを言っているの。そんなこと覚えたらどうするの。さ、パンダさんは何を食べるの?」
ペシ坊はすまして「パンダハ、エサヲタベル」父母「...」

「お気の毒な小泉総理」by野田聖子を読む。
野田聖子らしくないどぎつい文章だ。が、視点がやや違う。

「私が願っているのはこの郵便局の利便性がより高まることです」郵政の民営化は郵便局の利便性とか郵便局のネットワークといったささいな問題のために行うのではない。国の経済、金融のど真ん中にあるリスクから遮断された、非効率的な巨額の資金を資本主義市場に戻すという問題なのだ。
ネットワークの維持や郵便局の利便性、あるいはユーザーへのサービスということはこの問題に比べれば、国家に与えるインパクトは桁違いに小さい話だ。郵貯と簡保の民営化後に郵便事業のネットワークや利便性を議論すればよいだけのことだ。

「郵貯に預けられている二百三十兆円は、郵便局が強引に奪ったわけではなく、民間企業の傲慢さの反映でもあるわけです」
郵便貯金や住宅金融公庫といった資本主義市場から切り離された親方日の丸の組織を跋扈させ、護送船団で金融機関に競争をさせてこなかった国家の政策ミスが日本の金融機関の弱体化につながったのだ。金融機関に独り立ちをさせるためには、これまでの政策ミスを改め、今や不必要になった官の組織を廃さねばならない。
本当に日本の民間企業が傲慢なだけであるならば、資金は海外にもっと逃避しただろう。民間企業の失敗がありきではなく、国家の失敗が民の失敗につながったのだ。

「巨額の赤字を垂れ流しているのは特殊法人なのですから、そちらにメスを入れるのが先決のはずでしょう」
もちろん特殊法人の改革は必要だが、そこに流入している資金を絶てば自然と非効率的な特殊法人は倒れる。特殊法人を一つずつ議論するよりも市場の力を利用して整理することは間違いではない。

「自民党の過失とは何だったのでしょうか。まず、候補者選定のあり方が未整備だった点が挙げられます」
この一文が、僕と野田聖子の一番の相違点のように感じる。確かに今回の候補者選定は問題だった。しかし、それは自民党の過失として最初に挙げられるべきものではない。
自民党の過失とは何か。元来、日本を共産主義、社会主義から守ろうというのが自民党だった。しかし、この勝負ははっきりと決着がついてしまった。自民党は勝ったのだ。が、その瞬間から我々は、自民党とは何かという質問に新しい答を用意しなければならなくなったのだ。そして、その新しい答を用意してこなかったのが自民党の過失なのだ。
われわれはどういう国を目指すのかという答を用意しないで、候補者を選ぶことは本来できないはずだ。

「小泉さんの言動に批判があっても、党の中で諫めて変えていただくという努力がなかったことです」
これも違う。これまでの自民党は、例えば業界団体から丸ごと支持を得ていた。そうした支持を得るために、自民党は与党という立場を利用し、規制や予算を利用した。
昔は違ったのかもしれないが、少なくともここ最近は、業界団体は「自民党」を支持したのではなく、規制や予算を握る「政権与党」を支持したのだ。しかし、国際化の中で、日本独自のルールが通用しなくなり、規制を撤廃し、三位一体の改革をしなければならなくなった。小泉改革はそういうことなのだ。
それに対する党内の批判は、昔に戻れということではないか。それは間違っている。



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