2004年5月23日号

2004.05.23

我が事務所のスタッフだった李成権さんが先の韓国総選挙でハンナラ党公認として釜山の中心部の選挙区で初当選を果たした。
新議会は6月4日から始まるので、それまではまだ、「当選者」という立場だそうだが、お祝いにかけつける。

また、今度の総選挙では日韓議員交流の相手だった議員の多くが落選してしまったため、議員交流の枠組みの再建も兼ねて、羽田−金浦のシャトル便でソウルを訪問した。

李さんは、当選したばかりでもかなり頭角を現しているようだ(若干のひいき目はあるかもしれないが)。
李さんは、日本から帰国して総選挙までの間に「韓国の道」というグループを作り上げ、そのグループで十三人の候補者を立て、三人が当選している。そして当選後すでに、水曜会というハンナラ党内の改革グループの議員二十数人の勉強会の幹事になり、今やパク・クネ ハンナラ党代表の側近である。
また、韓国の新聞でも日本の河野太郎事務所でスタッフをやっていたことが大きく取り上げられたようで、金浦空港で僕を見て、李成権議員のことを話す人までいた。ハンナラ党内でも日韓関係をになう人材だという評価をされているようで、国会では統一外務通商委員会の委員になるようだ。新聞の将来を嘱望される新人議員の欄でも五番目に紹介されている。
議員会館の部屋番号が僕と同じ206号になりましたと笑っていた。
部屋も日本の議員会館よりも広く、国からは六人のスタッフ分の給与が支給される。日本人のインターンを一人議員会館におくそうだ。

友人の民主党のキム・ミンソクは大統領選挙でチョン・モンジュ候補の支援に回ったことがまだ影響して、落選。しかも、大統領選挙の資金問題で起訴されることになった。今回はソウルにいないということで会えなかった。ミンソクの他にもチュ・ミエ議員をはじめ、民主党の公認で立候補した議員のほとんどは落選の憂き目にあった。
ハンナラ党の未来連帯グループは、大統領の弾劾の先頭に立ったことが批判され、16人のうち数人しか残らない惨敗。ウォン・ヒーリョン議員はさすがに強く圧勝したが、イ・ソンホン議員は敗れ、オー・セフン議員はハンナラ党の長老議員は今回の選挙で総退陣すべしと主張し、その発言の責任を取る形で立候補を辞退した。
我が李さんは、ウォン・ヒーリョン議員をはじめとするハンナラ党の改革グループの全面支援を受け、ハンナラ党の公認を決定する委員会のメンバーであったイ・ソンホン議員が強力に推してくれたおかげでハンナラ党公認となり、初陣を飾った。釜山では18選挙区中ハンナラ党が17選挙区で勝利を飾っている。

今度の総選挙で当選一回生が韓国国会の三分の二近くを占めることになり、長老がほとんどいなくなった。だからこれまでは長老の日韓議員連盟と若手グループの交流が分かれていたが、、韓国側では、長老の韓日議員連盟と若手議員の交流会という二本柱が、長老がいなくなったために韓日議員連盟も若手でやらざるを得ないという状況になってきている。
今まで通り、日本語が出来る議員が韓日議員連盟の会長になるとしたらイ・ナギョン議員あたりではないかといわれている。これまでは会長は日本語が出来ることに加えて首相経験者クラスというのが相場だったが、そんな議員はいなくなってしまった。韓国政界では、この変化は大いに歓迎されているようで、日韓がノーマルな関係になるといった議員もいた。
日本側がキム・ジョンピル韓日議連会長が落選したことに大きく反応していることを見て、韓国側はなぜそんなことで騒ぐのかと、怪訝な気持ちでいるようだ。
ハンナラ党は李さんが当選したことによって、自然と窓口は李さんとウォン・ヒーリョン議員ということになりそうだ。ウリ党は、これまでも交流してきたキム・ブギョン、ソン・ヨンキル両議員たちに加えて、ガン・チャンイル、イ・ハヨン、イ・インヨン議員などの初当選組も含めて新体制を作ってもらうことになった。

日韓の若手議員で、秋に東京とソウルで日韓FTAを推進するためのシンポジウムを開けないだろうかと提案する。地位協定に関しても東京でのシンポジウムに韓米の地位協定を加えることも含め考えてみる必要がある。

ハンナラ党内はウォン・ヒーリョン議員や李さん、いや李議員などのグループとパク・チン議員を中心とするテクノクラートのグループ、そして保守派という三つのグループに分かれてきている。バク・クネ代表の人気が高く、次の代表選挙では再選されるだろうといわれているが、ソウル市長と京畿道の知事の二人も次の大統領候補だという下馬評のようだ。(韓国政界を見ている限り、四年後のことを考えてもほとんど意味はないと思う)
一方、ウリ党は大統領の下で、チョン・ドンヨン議員とキム・グンテ議員が二枚看板で支えている。統一院長官はこの二人のどちらかになるのではないかともっぱら言われていた。

土曜日の夜はソウル在住の済州島出身者の会に参加する。ウォン・ヒーリョン議員は済州島出身者から見ると郷土の誇りのようで、みんな本当に誇らしげに彼の話をする(ハンナラ党のウォン・ヒーリョン議員はソウル市内の選挙区で圧勝した。しかし、済州島ではウリ党が圧勝した)。一緒にこの会に参加した李さんは、人口五十万人の済州島よりもはるかに小さい人口六万人の島の出身者で、会を見てうらやましがっていた。

シャトル便は非常に便利だが、やはり出国審査と同時に相手国の入国審査も終えてしまうべきだろう。また、日帰りが出来るような便の設定が必要だ。
北京、上海に関しても、同じような羽田便を始めるべきだ。



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