2004年5月19日号

2004.05.19

引き続き著作権法の改正についてです。
改正案の趣旨には、米英などからの輸入盤を禁止する意図はまったくないので、そのことがきちんと明確に伝わるようにしようと与党内で努力中です。
今日も文部科学委員会の控え室で、渡海紀三郎筆頭理事の立ち会いの下、文化庁と大臣答弁の打ち合わせ。
99%大丈夫ですからというのはダメで、100%大丈夫だという答弁をやるためにどう大臣に発言していただくかということを打ち合わせました。
結局、大臣にどの国とどの国とどの国からの輸入は止めませんとはっきり答弁していただくことになります。少なくとも米英仏独加からの輸入は問題ないという答弁になるはずです。

いくつかの質問が寄せられています。
Q:「今回の改正はアジア市場に進出するために必要で、内外不差別の原則により欧米からの輸入盤を法律で除外することは出来ない」と言っているから、欧米からの輸入盤が輸入禁止にならないとは思えない
A:法文上の内外差別はWTOの問題が起こります。だから大臣答弁で、特定の国からの輸入盤の輸入は対象にならないことをしっかり答弁します

Q:5メジャーは輸入盤にはこうした権利を行使しないと言っているなどと文化庁は説明しているが保証はあるのか。
A:5メジャーがどう言っても保証にはならないと思いますので、大臣答弁で担保します

Q:その国でしか発売されていないけれどすばらしい音楽もあるのです。お願いです。音楽を聴く喜びを私たちから奪わないでください。
A:日本で発売されていないCDは対象になりません。そうしたCDの輸入には何の問題もありません。

Q:どの国が発展途上で、どの国が先進国なのでしょうか?
A:大臣答弁で明確になるはずです。少なくとも米英仏独加は対象になるはずです。

Q:洋楽の輸入盤と邦盤の価格格差が2倍(半分)近いなんてことはよくある。これを「見込まれる利益が著しく減少する」と解釈さることはありえない、のだろうか、というのもみんな心配しているところなのだ。外盤の値付けが邦盤の値付けの何%以下になったら「著しく減少する」に当たるかなど、よくわからないところであるし、海外アーティストのCDに3500円とかいう値付けをあえてしといて「著しく安価だ!」「著しく減少した!」と騒ぎそうな人がいるところもあのギョーカイのミソなのよ。(私のはとこのブログです)
A:大臣答弁で、特定の国名を挙げて、その国からの輸入盤で上記のようなことが起きたとしても対象にならないようにすることになります。

Q:CDの価格は日本は諸外国に比べて以上に高い状態です。アメリカのCDと日本のCDを比べると、アメリカのCDが半分以下の価格ということもよくあることです。ですから、この法律でアメリカのCDの輸入を止めることは簡単です。
A:ご心配はもっともですので、そうしたことを防ぐためにアメリカからの輸入盤は対象外であるという答弁を大臣がすることになっています。

Q:こんばんは。著作権法の関係なんとなく分かりました。例えば、日本の浜田あゆみが、中国限定のアルバムを発売し、日本で発売されない場合には、(例えば全曲、中国語の歌詞で歌ったアルバム)日本の国民は、聞くことはできない?そういうことですね。
A:違います。日本で発売されていないCDは対象外です。

Q:法の修正が目指していたはずの「還流CDのみの輸入規制」が、法案の不整備から、予定を遥かに超えた権限を対象者に与える可能性を示しています。
A:日本のアーティストだけに限定した立法をすることはWTOの問題もありできません。全ての国のアーティストの権利を日本のアーティストの権利と同様に保護するための法律です。その中で、欧米からの輸入盤が今後も輸入できるという担保をきちんとしておこうということで、大臣が必要な答弁をすることになります。

Q:発展途上国からの輸入盤も、立派な輸入盤!還流盤ではない。
A:発展途上国にライセンスされたCDが、すでに日本国内で発売されている場合(かつ発展途上国で発売されているCDに日本での発売禁止という表示がある場合)は、還流版と同じ扱いを受けます。このときにアーティストが日本人か、その国の人か、アメリカ人かは関係ありません。

Q:なんで発展途上国を差別するのか
A:発展途上国にライセンスされる場合、先進国に比べ、ライセンス料が非常に安くなります。そのため、そのCDが先進国に還流するとアーティストの権利を害することになります。
もし、発展途上国向けにライセンスされたCDのライセンス料が高ければ、そのCDにはきっと日本での発売を禁止するという表示がされないでしょうし、その場合には日本への輸入も可能になります。

Q:日本で販売されていないCDを日本に輸入して在庫になっている時に、日本国内でそのCDが販売され、輸入が禁止になってしまった時に、その在庫はどうすればよいのか。
A:この改正案は日本に輸入する時点での可否であって、日本に既に合法的に輸入されたものについては、そのCDの以後の輸入が禁止された場合であっても販売して問題はありません。



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