2004年4月27日号
2004.04.27
骨太の方針の議論に、与党としての考えをまとめてできる限り反映していきたいという政調会長の意図を受けて、各部会がそれぞれ重点課題をまとめるようにとの指示が出る。
与党としての考え方をまとめるはずなのだが、なぜか原案を役所が書こうとする。そんな馬鹿な。
環境部会の重点課題は役所には書かせない、俺が自分で書くと宣言し週末にせっせと「環境分野における当面の重点課題」河野太郎部会長案をまとめる。
月曜日の朝、部会長案を役所に提示し、四・二六事件勃発。
火曜日の朝八時にセットされている環境関係役員会には、部会長案のみを出し、環境省のまとめたものは与党の考えには関係ないから出さないと役所に伝える。
それは困るという話になるので、部会長はちっとも困らないと返答する。
役所は困ったようで、部会長ご乱心と幹部に根回しに走る。
実は大御所には、これで良いではないかという意思表示をしていただいたが、実力幹部二人から、お前の意図はよくわかったが、環境省が作ったたたき台で議論を始めた以上、突然あのたたき台はだめだと今になって部会長が言っては、手続きがおかしくなる。役所が作ったものはだめだというならば、最初のたたき台から自分で作れとのご意見。
この二人の説得が効かないならば部会長更迭はできませんかという物騒な声も役所内にはあったそうな。(俺は生態系を壊す外来種か!)この二人を相手に突っ張ってみても、火曜日の役員会を通せないのは目に見えているので、午後四時半、反乱軍はここで原隊復帰を決断。
すぐさま環境省のたたき台に、こっちの重点主張を盛り込んだものを作成し(環境分野に関する日米地位協定の改定なども当初案にはあったのだが、この段階では落とす)、では、部会用資料はこれで行くことにすると連絡。環境部会夜の陣勃発。
環境省は、この案と一緒に環境省案を出したいといってくるので、党の案を審議するのであって役所の案は政府部内でやってくれとはねつける。
次に、部会長の意見には注:河野部会長の意見 と注釈をつけたいというので、アホかと却下。
夜、経団連の会議室で半導体産業の国際競争力の勉強会をやっている最中にも官房の桜井審議官と携帯電話で断続的にやりとりが続く。とうとう携帯電話の電池が切れる(僕の携帯は画面が緑一色のN501iという古いやつなのであんまり電池が持たない)。
環境省はエコイスト大賞が嫌いなようで、とうとう最後はそこをめぐっての攻防。
結局、朝八時からの役員会が始まる十七分前に官房長と相談の上、この部分は部会長の取りまとめと環境省の意見が違うと言うことを宣言して、環境省の意見表明をしてもらうことで合意。
役員会では提案に二カ所の修正が入ったが、ほぼ原案どおりに了承をいただく。
ただひたすら環境省の後ろ向きの姿勢にあきれる。と、言うか、今の仕組みでは彼らを非難するのは筋違いで、政治家がきちんと決めればよいこと。
政府と与党の立場を使い分けたり、党内が意見の一致を見なければ物事を決められないようにして、変革を妨げる意思決定のメカニズムを作ってきた自民党に責任がある。やるべきことをきちんと決められる仕組みづくりが必要だ。
今のままでは政治家のリーダーシップというよりも、政治家による調整しかできない。
議院内閣制のあり方をもう一度考えるべきだ。