2001年8月14日号

2001.08.14

総理の靖国神社参拝に関する議論に関して。
1972年の日中条約を締結するに当たり、日本側にも台湾との国交断交に反対する意見がありましたが、中国側にもあえて日本と国交を結ぶ必要があるのか、あるいは日本が中国を侵略した過去をどう考えるのか、という声がかなりありました。
当時の毛沢東、周恩来といった中国の指導者は、中国の国民は戦争の被害者だが、大多数の日本国民も戦争の被害者であり、戦争を引き起こした日本の戦争責任者と日本国民を分けて考えるべきであるという説明を中国国民に向けて行いました。そして、この考えをベースに賠償問題などが議論され、日本と中国の政府が条約を締結しました。
78年のA級戦犯の合祀以後、総理が靖国神社に参拝するということは、中国側から見ると、日本政府の代表者が、戦争を引き起こした責任者に頭を下げることになり、日本国民と戦争の責任者を区別した考えにたった現在の日中条約と整合がつかなくなります。これが、中国政府が、A級戦犯を合祀した靖国神社に、政府の代表者である総理が参拝することに、反対をする理由になっています。A級戦犯が合祀されていない靖国神社に総理が参拝したり(かつての三木総理の参拝など)、政府の代表者でない人の靖国神社参拝などについては、中国は問題として取り上げることはありません。
という中国側の理由を知った上で、この問題を議論することが必要だと思います。これは日本の国内問題だから、中国の言い分など聞く必要はないという意見が、国会議員の中でもありますが、私は、そうは言い切れないと思います。
また、中国が日本と断交したければ勝手にしろ、などという国会議員の発言もありましたが、おそらく本人は、極端に言ってみただけだと思いますが、現在の日中の関係は、経済面を見ても、中国はアメリカに次ぐ貿易相手になり、毎年百万人の日本人が中国を訪れ、約二万社の日本企業が中国国内で、何らかの操業をしているのが現実です。
私は、国立の墓苑なり、慰霊碑なりを建立し、そこで追悼を行い、また外国の代表者にもそこを訪れていただくようなことを行うべきだと思います。
あなたはどうお考えになりますか。



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