2001年6月18日号
2001.06.18
日米外相会談。ミサイル防衛をめぐり、やじろべえの上にいるような気分だったが、最近、僕は懐疑派。
今やらなければならないのは、START3をさらに深め、米ロの核弾頭を三桁の中低位にまで落とす努力をすることではないか。ロシアの古い核弾頭をミサイル防衛にかかる費用で買い上げても良いかもしれない。そこまで数が下がれば、英仏中を入れた核削減の枠組みがつくれる。
中国を経済的にもっと開放させ、政治的な開放を近づけていくべきだ。民主的に近い中国ができれば、対立は弱まっていくだろう。経済が進んだ中国をかかえると、湾岸から日本までのシーレーンの防衛が重要になってくる。ミサイル防衛の共同研究よりも、シーレーンの防衛ではないか。
もし僕が核兵器を持ったならず者国家の首領様であったなら、金をかけてミサイルなど開発せず、小さい原始的な原爆をスーツケースに詰める。何兆円のミサイル防衛が無駄になる。
核兵器をもった単なるならず者が誕生したらどうするのか。
核兵器とミサイル技術の拡散を防ぎ、検証機能を向上させることを国連主導で進めるのが人類の未来にとって一番今必要なのではないか。検証に同意しないならず者国家に対しては、国連決議に基づいた何らかの処置をすべきだろう。そのためにも中ロを同じテーブルに載せるべきではないか。
ミサイル防衛計画は、目の前の疑問に答えていない。
京都議定書をめぐっては、日欧の先行批准を考えるべきだ。地球環境の無い日米同盟と日米同盟のない地球環境のどちらが究極的に大事なのか、いや、そもそもこの程度のことで動揺する同盟なのか。
京都議定書の発効なくして温暖化に歯止めがかけられるのか。もっとも、森林吸収源と原発二十基以外に政策のない経産省だから、これをきっかけに離脱したいと思っているのだろう。フロン法への対応を見ているとそう疑わざるを得ない。今こそ、政治的な決断とリーダーシップが必要だ。
大村、いつまでも政務官ポストにこだわらずケンカしろ。
アメリカ軍の中には、あと三、四十年で海外の基地はいらなくなるという声もある。アジアでは、朝鮮半島統一後、議会と世論が米軍引き上げを要求し始めるだろうし、軍事技術の革命的な進歩で、海外基地に代わるものができるという。三、四十年での駐留無き同盟も視野に入れる必要があるのだろうか。
河野太郎と教育を語る会のメンバーと地元の市立小学校のパソコン授業を参観する。そして、午後、ITの最先端を走る私立の高校を見学。ビデオオンデマンドシステムで、予備校の授業をいつでも見ることができるようになっていたり、ホールには三次元映像を映し出すシステムが完備されていたり、驚き。でも、生徒一人ひとりにメールアドレスが割り当てられてはいなかった。そこまではいっていないようだ。