エネルギー基本計画に関する党内議論

2014.04.04

エネルギー基本計画の案が自民党と公明党の協議を経て、自民党の資源エネルギー調査会に提示された。

その議論は以下の通り。

 

河野太郎

「はじめに」の福島に関する記述を落とすのはおかしい。復興本部長はどう考えているのか。

核燃料サイクルはできないのに、なんでも竣工、なんでも推進になっているではないか。

青森をはじめ立地自治体のことを考えれば、暫定保管をまずやらねばならない。

でたらめな3.6兆円の試算を載せたり、原発停止が貿易収支の最大の原因だというような記載を入れたり、原発が準国際エネルギーであるかの記述を入れておいて、最後のほうに「客観的な情報提供」をうたうのは、というのは何を考えているのか。

もんじゅがだめだから高温ガス炉なるものを突然入れてきたのは予算確保のためというのが見え見えではないか。

 

細田健一

ひな壇のメンバーに一任する。

原子力は将来にわたって必要で、もんじゅは高速増殖炉として残すべき。

再生可能エネルギーに過度の期待をすべきではない。

 

滝波宏文(参)

細田議員と同じ意見だ。

日本には資源がなく、制約を考えれば原発は不可欠。

再生可能エネルギーはいいが、とらぬたぬきではだめだ。

再生可能エネルギーは、動かないときにカバーするための火力発電が必要で、それを考えたベストミックスの数値を。

 

高木毅

原子力の位置づけが地域にとって大切。重要なベースロード電源や核燃料サイクルを進めるという文言はよい。もんじゅは高速増殖炉として進めると認識する。

ベストミックスの数字には新増設を入れたものに。

再稼働するかどうかは国が責任を持つべき。

 

柴山昌彦

野党時代にしっかり議論したものを反映するべき。

再エネ賦課金の計算はおかしかった。

核燃料サイクル路線の転換をするべき。全量再処理は改めるべきだ。

 

桜井宏

「はじめに」のところは賛否がよく加味されて、良いまとめだと思う。

 

大西英男

国のエネルギー計画を国民は待っている。再稼働しなければ経済はぐちゃぐちゃになる。

中小企業は高い電力料金に悲鳴を上げている。

新興国は人口爆発する。化石燃料ではやっていけない。先進国としての責任を果たすべき。

反対論の人はいつも同じことを言う。

 

務台俊介

再生可能エネルギーに期待している。この中での記述は後ろ向きではないか。

原発への依存度を下げるという記述なみに再エネをやるという記述を。

 

前田一男

再稼働は必要だと思うが、地域の気持ちを受け止めなければならない。

函館市長は「意見を表明する場もなく、旧基準で大間の建設が再開されている」ことに異を唱えている。

再稼働には、避難計画の策定を条件にすべきだ。

 

鬼木誠

電力の基本は、良質、安価、豊富だ。エネルギーは危険だが、便利なもの。それで文明を発達させてきた。停電が起きたら困る。

再生可能エネルギーは良質なものが盛り込まれる必要がある。

 

山田美樹

原案に賛成する。エネルギーミックスの議論で再生可能エネルギーの目標数値を入れたら民主党と同じ嘘つきになってしまう。気合だけの数字ではダメだ。

 

渡辺博道

水素に関する記述は満足できる。水素社会の実現はこれから。原発への依存をしないためには水素が必要だ。

 

中村裕之

エネルギーの調達は安定、安価。エネルギー自給率を上げるためにはメタンハイドレートが必要。

原案には賛成。

 

宮川典子

原案に賛成。再生可能エネルギーの数値を入れるべきではない。

人材育成に関する記述が必要だ。廃炉に向けた人材育成をしてこなかった。エネルギー分野から学生が離れている。

 

秋本真利

三月五日から平場の議論もなかったことに抗議する。平場を開いてくれというお願いに回ったが、政調会長は会ってもくれなかった。公明党は丁寧に平場を都度やっている。

突然、案が示されて、前回からの変更点もわからない。

与党のワーキングチームで決定された申し入れも配られないのはどうしてか。

再生可能エネルギーの数値を入れるべき。

「はじめに」から「福島」を落とすのは容認できない。そんな議論は党内ではなかった。

高温ガス炉についても党内で議論はなかった。なぜ、そんなものが入っているのか。新設をしていくということになれば、原発に依存しない社会・経済という公約に反する。

 

大岡敏孝

原発の可能性を信じる立場だ。

こんどの「はじめに」は良いと思う。

原子力の未来を信じるというわかりやすいメッセージを出すべきだ。2030、2050を考えると日本の世界貢献をどこでやるのか。

再生可能エネルギーと原子力は弱点を相互補完するので、前回のエネルギー基本計画は両方を延ばすはずだった。

 

岩屋毅

福島の事故の後、山本一太委員長の下、特命委員会の核燃料サイクル・核廃棄物の小委員会の座長を務めた。

福島の事故のダメージとコストの大きさに驚愕した。再稼働はしても耐用年数で廃炉にする縮原発、減原発プラス再生可能エネルギー、10年かけてベストミックスというのが自民党としてのとりまとめだったはず。それと同じ方向性だと説明できるのか。

核燃料サイクルへ挑戦したことは間違っていなかったが、今日、ほとんど進んでいないのが現実。

原発への依存度を下げるならば、全量再処理は見直すべき。

もんじゅは、これまで協力してくれた自治体には迷惑をかけないようにするが、終息の方向性は示すべき。

 

エネ庁

「はじめに」の記載は削ったが、後ろのほうに福島のことは載せてある。

再生可能エネルギーは関係閣僚会議を設置し、目標数値も前回をさらに上回るということにした。

原子力・核燃料サイクルも推進しながらも中間貯蔵を拡大し、柔軟性を確保することを明記した。

とくに核燃料サイクルについては、地元との関係もある。それでも柔軟性を明記した。

高温ガス炉はまだ研究開発の段階。安全性が高い原子炉。

基本的に与党の意見を取り入れた変更をしている。

 

文科省

もんじゅについては研究の成果をとりまとめ、将来の選択肢とするために研究を進める。

 

高野光二郎(参)

今後、20年ならば、南海トラフをはじめ巨大地震が想定されているのに、河野代議士の提起した疑問にも答えていないのではないか。

 

笹川博義

福島の記述は中には出てくるが、福島の事故がなければここまでの議論になっていたのかということを考えれば、「はじめに」の記述は元に戻すべき。福島がきっかけだった。

「国が前面に出て」というのは意味が分からない。「国の責任において」ではないか。大きな事故の可能性があり、それには「国が責任を持って」対応するのではないか。

 

簗和生

原発か、再生可能エネルギーかの議論には違和感を覚える。

海外に化石燃料を依存している脆弱性への対応が、基本ではないか。

再生可能エネルギーの目標値は実用化されてから言うべきだ。

原発の新増設、リプレースの議論がないのはおかしい。このままでは原発の耐用年数が切れたら再生可能エネルギーに頼ることになる。もし、再生可能エネルギーができなかったらどうなる。

原発の新増設、リプレースを入れるべき。

 

津島淳

原案に賛成。

核燃料サイクルは推進するべき。国と青森との約束で、サイクルを推進するから使用済み核燃料を預かっている。事故後も100人前後の雇用がある。これからのエネルギーを支える人材の灯を消すな。

 

太田房江(参)

原案に賛成。

安定性、効率性、安全、環境への適合がこれからのエネルギーには必要。多様性を確保したベストミックスを。分散型電源で地域も多様化を。

国民の心配は貿易収支の赤字。高いエネルギーを買ってどうやって経済を成長させるのか。

 

井上貴博

エネルギーの自給率を上げるために再生可能エネルギーも原発もやる。
原子力に進む若者が20%もへり、東電の退職者も増えた。若者が夢を持てる原子力を。

世界中の廃炉を一手に日本が引き受けられるように人材を育て事業化すべき。

 

宮路和明

木質バイオマスをきちんと盛り込んでもらった。

年間1億立方メートル森林が成長するがその半分も伐採していない。さらにその6割しか使われず、残りは捨てられる。

年間に1億立方メートル使えば木質バイオマスもベースロード電源たりうる。

 

北村誠吾

減容化に必要な人材の育成は国の責任で実施すると書くべき。

 

武藤容治

この計画を一つずつ実行に移すのが大事だ。

国民はまだ不信感を持っている。

福島県に対する責任もきちんと果たすべき。

 

額賀福志郎

原子力がきちんと計算できないなかで、再生可能エネルギーにも取り組むが再生可能エネルギーは計算できないという現実を直視しなければならない。

ほとんどが賛成意見だったので、調査会長に一任してほしい。

 

山本拓調査会長

それではご一任を

(賛成!)(反対!)

ご一任ありがとうございました。

(一任していません!)

来週に政審、総務会にかけます。



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