財政改革2026 RSシステム
2025.07.28
来年度の予算を決めるプロセスが8月末に始まります。
最初のステップが、各省庁が財務省に対して来年度の予算の要望を出す「概算要求」です。
しかし、ここ数年、財政規律が緩み、本当に予算でやるべきなのか疑わしい事業への予算要求が相次いでいます。
私はこれまで自民党の行革推進本部長や行革担当大臣としてそうした予算を潰してきましたが、各省だけでなく一部の議員の後押しを受けた予算事業の要求が後を絶ちません。
これまで予算事業の妥当性を検討する行政事業レビューの資料として、各省の担当課に予算事業ごとにレビューシートを作成してもらっていましたが、納税者に目を通していただく機会は少なかったと思います。
そこで、昨年からレビューシートをウェブ上で公開するようにいたしました。
( https://rssystem.go.jp/top 行政事業レビュー見える化サイト RSシステム )
このシステムを使って、予算事業を一つずつ見ていくことができます。
例えば、内閣府の知的財産戦略推進事務局が所管する「クールジャパン戦略推進経費」という事業があります。
( https://rssystem.go.jp/project/7eca90fc-c70b-4a22-ab0e-9ecf3110b39c )
この事業の目的は、「(アニメ、マンガ、ゲームといったコンテンツ、食、伝統・文化、ファッション、デザインなど日本)の魅力を分野横断的な取組として取りまとめるとともに、海外に効果的に発信しソフトパワーを高めるなどクールジャパン戦略を推進することにより、クールジャパン関連産業の海外展開の拡大や日本の好感度の向上を図ることを目的とする。」とあり、その予算規模は
2022 65百万円
2023 132百万円
2024 283百万円
と、右肩上がりで増えていきました。
ではこの事業で何を実現しようとしているのかというと、活動目標は、「CJPF AWARDにおける動画及びプロジェクトの応募件数とクールジャパンフォトコンテストの応募件数の合計」を800にする、短期的な成果目標は「公式SNSのフォロワー数」を3,500にする、長期的な成果目標は「各国・地域における『日本が大好き』の割合」を100%にするというものです。
ちなみにXの「公式 内閣府 クールジャパン」アカウントのフォロワー数は、2025年7月28日現在、604です。
この事業、必要でしょうか。
この事業がなくとも和食は世界に広がっていますし、ダガー賞を取った日本の小説や海外で人気の日本のアーティストは、この事業がなくとも成功しています。
もちろん財政規律を考えたとき、最大の課題は社会保障をどうするかということですが、塵も積もれば山となる、こうした小さな予算事業も一つ一つその妥当性を評価し、無駄なものだけでなく、効果の薄いもの、優先順位の低いものをどんどん廃止していくべきだと思います。
これまでは、無駄だと思われる予算事業、基金事業にも議員の応援団がいる一方、この予算は不要だという主張には応援団がいませんでした。
RSシステムを多くの皆さんに見ていただいて、本当にこの事業必要なのという声をあげていただきたいと思います。
ぜひ、RSシステムの中から無駄だと思われる予算事業を見つけていただいて、「#この予算事業いらない」というハッシュタグをつけてXにポストしてください。
皆さんの声で財政規律を取り戻しましょう。









