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河野太郎総理で実現したい-4 デジタルセーフティネット
2024.09.07
コロナ禍の最中、イギリスでは支援を必要としている人を行政が見つけて、タイムリーに支援することができました。
これはイギリスでは行政が収入の情報をかなりリアルタイムにちかく、取得することができたからです。
他方、日本では、行政が持っている収入の情報は前の年の確定申告データや支払い調書のデータだけだったので、足元で収入が減って困っている人を行政が見つけ出すことができませんでした。
そこで、真に支援を必要としている人を正確に把握し、必要な人にプッシュ型の支援を迅速に実施するためのデジタルセーフティネットをつくります。
まず、給与などの収入が発生するたびに、勤務先から今、国税庁、市町村、日本年金機構などに、バラバラに提出している所得関連のデータを国の一つの窓口に一括してデジタルデータの形で送付してもらうことにします。
窓口は税務署、年金機構、自治体など、税と保険料の情報が必要な機関と情報を連携します。
このしくみにより、行政が収入情報を迅速に把握できるようになるため、必要な人がピンポイントでプッシュ型支援を行う受けることができるようになります。
デジタルセーフティネットには、困っている人を迅速に救う以外にも大きなメリットがあります。
それは自分に関わる税金の透明化と手続きの簡便化です。
行政がそれぞれのマイナンバーに一人ひとりの所得、保険料、所得税、地方税を名寄せするので、マイナポータルで自らの収入や税金の情報を一目で確認できるようになります。
そして、その情報がe-TAX、eL-TAXに自動入力されることで、各種の所得に始まり、保険料や医療費、寄付金など、控除の対象になる金額も自動入力され、自動計算で税額や還付金額が計算されます。
現在でも確定申告で手入力いただいている雑所得の経費だけ手入力が必要になりますが、その他の入力、計算は自動でできるので、個人の確定申告が手間がかからずに確認したらボタン一つで申告できるようになります。
まずは、現在、確定申告を行っている方の手続きが大幅に手間いらずとなります。
将来的には 年末調整を廃止して、収入があるすべての方に簡素で容易な形で確定申告をしていただけるようにします。
そういうと驚かれるかもしれませんが、今、年末に行なわれている、給与所得者が控除関係書類を事業者の担当者に提出し、事業者が税務署、社会保険事務所、ハローワーク、労働基準監督署、自治体の税務課等へ書類送付するという年末調整のプロセスを、マイナポータル上で一人ひとりがワンタッチの確認で済ませられるようになります。
給与所得者にとっても負担は増えず、事業者も大幅な事務コストの削減になります。
税務署も、すべてデジタルデータで処理できるようになるので、負担も大幅に減ることになります。
また、このシステムが導入されれば、その年の収入に応じて住民税などを決めることができるようになり、現在のように、前年より収入が大きく減ったために税を負担できなくなるようなこともなくなります。
さらに収入があるすべての方が確定申告をすることで、税と社会保険料の負担額を認識してもらい、その使いみちにも厳しい目を向けてもらえることも期待されます。
これを実現するためには、国税庁のシステムをアップグレードし、窓口と関係する諸機関をデータ連携すると共に、企業にも給与情報をデジタルで送付してもらえるようにシステム改修をしていただく必要がありますので、来年、再来年というわけにはいきませんが、こうした未来に向けて、着実に一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。