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記者会見6月4日
2024.06.04
昨年度、デジタル庁は神奈川県の協力の下、複数の基礎自治体が被災する広域災害を想定した実証実験を2回実施しました。
その結果を報告書として取りまとめたので、デジタル庁のWebサイトにて公表します。
実証実験では、マイナンバーカードの利用によって避難所の入所手続に必要な時間が約10分の1に短縮されるなどの成果が確認できました。
実証実験で構築したシステムは、オープンソースとして自治体や民間事業者に提供することとしているほか、実証実験で得られた知見を「モデル仕様書」に落とし込み、モデル仕様書に対応した避難所管理システムは、デジ田交付金で優先的に採択できる仕組みを既に構築しています。
2件目、能登半島地震への対応で得られた経験・知見や課題を踏まえ、今後の災害に備えるため、防災DXに関するデジタル庁の五つの取組を改めて整理したのでお知らせします。
1点目、被災者マスターデータベースを構築します。
能登半島地震は市町村を跨ぐ広域災害であった上に、多様な支援が行われたそれぞれで情報が分散管理され、更には2次避難もあり、被災者情報の円滑な共有が課題となりました。
被災者のニーズに応じたきめ細かな支援のため、広域災害の発災直後から、都道府県が市町村に代わって被災者情報を集約・整理し、共有することが重要で、そのための「被災者マスターデータベース」を構築します。
現在、デジ田交付金TypeSにて自治体を公募中であり、デジ田の結果を踏まえ、全国展開を進めます。
2点目、マイナンバーカードを用いた避難者支援です。
平時から、利活用シーンを広げ、スマホ搭載にも取り組むことで、携行率の向上を図ります。
また、今回、Suicaを用いて緊急的に構築・運用した避難者状況把握の仕組みの成果を改めて検証し、次に備え、予備のカードや読取機の整備、システム構築を行います。
同時にソースコード提供やモデル仕様書策定により、避難所管理システムの普及に取り組みます。
3点目、防災システム・アプリ間でのデータ連携基盤を整備します。
民間が構築した様々な防災システム・アプリを、現場で有効に活用していくため、異なるシステム・アプリ間のデータ連携を図る基盤の整備を進めます。
今年度中にプロトタイプを構築し、実証を行います。
4点目、災害派遣デジタル支援チーム制度を創設します。
能登半島地震では、民間のデジタル人材が被災自治体の現場に入り、DBやシステムをその場で構築するなど、災害対応をデジタル面から支援し、一定の実績を上げています。
この経験を踏まえ、防災DX官民共創協議会とも連携しつつ、大規模災害の発生時に、民間のデジタル人材等を派遣する仕組みを導入します。
5点目、GSSの導入を促進します。
今回の災害対応の現場で、省庁共通のネットワーク環境であるGSSを導入している関係者同士では、リモート業務や、共通の業務アプリの活用によって、データ連携が円滑に行われました。
GSSは、平時の情報共有だけでなく、災害の業務継続やコミュニケーション円滑化の観点からも有効だったため、各省庁への更なる導入をします。
以上の5つの防災DX関連取組をしっかりと進めていき、自治体や住民の被災時の対応を円滑化していきます。
3件目、昨日、再エネTFの資料に中国企業のロゴが入っていた事案に関する内閣府の調査結果が公表されました。
この調査は、再エネTFの元構成員の大林氏、同氏が所属する自然エネルギー財団が中国政府等から不当な影響力を行使され得る関係性を有していたなどについて、同TFの人選の経緯とあわせて調査が行われたものです。
調査は、調査の中立性を確保するため、内閣府の大臣官房において行われました。
調査の結果、大林氏や財団が中国政府等から不当な影響力を行使され得る関係性を有していた事実、人選の経緯に関する問題点等は確認されませんでした。
ただ、再エネTFについて、「懇談会等行政運営上の会合の開催に関する指針」の趣旨に必ずしも沿わず、審議会等である規制改革推進会議と同様の運営が行われてきたとの指摘がなされ、その運営の在り方を含め、規制改革担当大臣が適切に判断することが求められています。
調査結果を踏まえ、再エネTFの議論の内容自体には問題はなかったと認識しています。
再エネTFについては、廃止することとし、再生可能エネルギーに関する規制については規制改革推進会議でしっかりと議論する体制を構築することとします。