コロナワクチンに関するデマについて

2023.01.06

新型コロナウイルス感染症の最も効果的な対策はワクチンです。

世界の多くの国々では、ワクチン接種はリスクを大きく上回る利益を提供するとして、強く推奨されています。

日本では、コロナワクチンの接種は努力義務のため、ワクチンを接種するかしないかは、最終的には個人の判断です。

ワクチンは重篤な副反応を起こすことがあり、コロナワクチンも例外ではありませんが、コロナワクチンで重篤な副反応が起きる割合は非常に小さく、その内容についても各国で調査されています。

また、ワクチン接種後の副反応を疑う事例を報告する仕組みがあり、報告対象の症状やワクチンとの関連性が疑われる事例を把握した医療機関に報告を求め、収集した報告について、厚生労働省の審議会で専門家による評価が行われます。

直近では、2022年12月16日にこの審議会が開催され、3回目接種については、ファイザー、モデルナ、ノババックスの3種類のワクチンについて、それぞれ2,018件、953件、12件の副反応疑い報告があり、頻度はそれぞれ0.0040%、0.0029%、0.0073%と、1回目・2回目接種後の頻度より低い傾向でした。

いずれのワクチンについても、死亡、心筋炎・心膜炎、肺塞栓症、4回目・5回目接種、5~11歳の小児接種、6か月~4歳の乳幼児接種、オミクロン株対応ワクチンなどについて、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと評価されました。

同様に米国では、CDC(Centers for Disease Control and Prevention)が、次のようにワクチン接種を推奨しています。

“COVID 19-vaccines are effective at protecting people from getting seriously ill, being hospitalized, and dying. Vaccination remains the safest strategy for avoiding hospitalizations, long-term health outcomes, and death.”(コロナワクチンは、人々を重い病気や入院や死から効果的に守ります。ワクチン接種は、入院や長期にわたる後遺症や死を避けるために最も安全な手段であることに変わりありません)

イギリスのNHSも同様です。

“The coronavirus (COVID-19) vaccines are safe and effective. They give you the best protection against COVID-19.”(コロナワクチンは、安全で効果があります。ワクチンはコロナからあなたを最もしっかりと守ることができます)

世界各国でワクチン接種が行われ、その結果が調査、報告され、ワクチンの有効性と安全性が確認されている中で、ワクチンに関するデマやフェイクニュースを流したり、物理的に接種を邪魔することによって、他人がワクチンを接種するのを妨げようとする動きがあります。

自らがワクチン接種をしないという選択をするのは自由ですが、他人のワクチン接種を邪魔するのは、大きな問題です。

「ワクチンをうって大勢がなくなっているのだから、ワクチン接種をやめるべきだ」と主張する人がいます。

国内でのワクチンの接種開始後は、副反応疑い報告制度により、副反応を疑う事例を収集しています。

日本の副反応疑い報告制度では、ワクチンを接種した後に亡くなった事例が1,917件報告されています。

ご家族を失ったご遺族の悲しみはいかばかりかと思いますが、これまでにワクチンとの因果関係が否定できないと判断された事例はありません。

予防接種健康被害救済制度に基づく死亡一時金は、2022年12月時点で15人に支給されていますが、これは、本制度が「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象」としているためです。

副反応疑い報告制度では因果関係不明とされている事例でも、救済される場合があり、死亡事例の認定が行われたことは、「ワクチン接種が原因で死亡した」こととは異なります。

また他国でも同じような制度で副反応疑いが報告され、同様にワクチンを接種した後に亡くなった事例が報告されていますが、ワクチンとの因果関係が否定できないと判断された例は極めて稀です。

例えば、米国の場合、2020年12月14日から2022年12月14日の間に6億6000万回のワクチン接種が行われ、J&J/Janssenのワクチンによる9件がワクチンと関連のある死亡例と判断されています。つまり、ファイザーやモデルナでの事例はないのです。(CDCによる)

にもかかわらず、副反応疑い報告制度を理解せず、副反応疑いで報告された事例全てをワクチンによるものと決めつける発言がネット上に散見されます。

もちろん引き続き、ワクチンの有効性と安全性のモニタリングが必要なことは言うまでもありませんが、副反応疑い報告制度による事例全てをワクチンによるものと決めつける発言は、明確に間違っています。

繰り返しますが、日本国内で接種されているいずれのワクチンについても、死亡、心筋炎・心膜炎、肺塞栓症、4回目・5回目接種、5~11歳の小児接種、6か月~4歳の乳幼児接種、オミクロン株対応ワクチンなどについて、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと評価されています。

コロナウイルス感染症から身体を守るためにも、ワクチン接種は推奨されていますが、荒唐無稽なデマもあります。

例えば、「コロナウイルスなんて存在しない」というものです。

コロナウイルスに関して、さまざまな変異株があり、それらのDNA配列まで明らかになっています。

それでもコロナウイルスは存在しないと主張する人がいます。

その根拠は、厚労省にコロナウイルスが存在するという論文の開示請求をしたら、そのような論文は存在しないと開示請求が却下されたからだそうです。

もちろんそのような論文は、厚労省をはじめ行政機関が作成したものではありませんから、行政文書ではありません。

情報公開は、各省庁の持っている行政文書を公開するためのものですから、そのような行政文書はないと却下されますが、だからといってコロナウイルスは存在しないということにはなりません。

これは明確なデマです。

あるいは「コロナワクチンは、まだ臨床試験(治験)が終わっていないから、安全性が確認されていない。現在、国民への接種で安全性をテストしているのだから、そんなものをうってはいけない」というものもあります。

コロナワクチンは、臨床試験(第Ⅲ相試験)で、有効性と安全性に関して厳格な評価が行われた後に承認されています。

一部の臨床試験の終了予定時期が、将来の日付になっている場合があるのは、臨床試験に参加した方々の情報収集を続けることで、免疫の持続期間などについて、引き続き情報収集を行って、科学的な知見を積み上げていくためのものです。

米国のCDCもコロナワクチンの臨床試験について、こう述べています。

“After initial laboratory development, vaccines go through three phases of clinical trials to make sure they are safe and effective. No trial phases have been skipped.

The clinical trials for COVID-19 vaccines have involved tens of thousands of volunteers of different ages, races, and ethnicities.

Clinical trials for vaccines compare outcomes (such as how many people get sick) between people who are vaccinated and people who are not. Results from these trials have shown that COVID-19 vaccines are safe and effective, especially against severe illness, hospitalization, and death.”

英国政府もコロナワクチンの臨床試験について述べています。

“The vaccines that are authorised have been through three stages of clinical trials and have been tested on tens of thousands of people around the world. A Phase 3 Covid vaccine trial typically involves 30,000 to 40,000 patients.

The trial phases were organised to overlap, speeding up the overall time of vaccine production, but without cutting any corners on trialling the vaccine and ensuring it meets strict standards of safety and effectiveness.”

「コロナワクチンは治験が終わっていないから...」という言葉を聞いたら、それはデマです。

「コロナワクチンを接種するとシェディングといって、身体からコロナウイルスがまき散らされる」というのもあります。

シェディングとは、ウイルスなどの病原体が患者の分泌物や排泄物を介して拡散することです。

シェディングは、ワクチンが弱毒化された生ワクチンの場合に起きる可能性はありますが、コロナワクチンの場合、ウイルスそのものをワクチンに使っているわけではないので、シェディングが起きることはありません。

自分がワクチンをうつかどうかは自分の判断ですが、デマやフェイクニュースで他人の判断に影響を与えようとする行為は、やめるべきですし、やめさせるべきです。



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