おすすめの数冊
2022.07.19
参議院選挙中は、全国各地に応援に出向くため、飛行機や新幹線、特急など乗り物による移動が多くなります。
そのため、読もうと思って積ん読になっていた本を読む、よいチャンスでもあります。
(自動車で移動中に本を読むと酔ってしまうため、残念ながら自動車移動中は読めません)
ということで、参議院選挙中に読んだ本の中から、おすすめの一冊じゃなかった数冊です。
「三国志」 宮城谷昌光
中国の歴史小説といえばこの人ということで、いつかこの人の三国志を読もうと思っていました。
全十二巻という長さです。
この参議院選挙中は、メインにこの三国志、合間にあれやこれや手を出そうという戦略でした。
長い。
読み始めても劉備も関羽も張飛も曹操も誰も出てこない。
いつもの主人公が活躍し始めたのは一体、何巻目になってからのことか。
これは「三国志」であって、「三国志演義」ではないぞ、とページごとに主張しています。
我らがヒーローの劉備玄徳は、これでもかとかっこ悪く描かれ、関羽も張飛も活躍する前に世を去ってしまいます。
そもそも桃園の誓いも出てこないし、赤壁の戦いに諸葛孔明が登場せず、なぜか曹操が良い奴になっているし。
曹操も劉備も全十二巻の第八巻で死んでしまいます。
あと四巻、どうすんねんと思いながら第九巻に突入しました。
三国志演義を読んでから、読みましょう。
難しい中国の漢字の名前の読み仮名が、各章ごとに1回ずつしか出てきません。
せめて各ページごとに読み仮名を振ってくれ。
地図がついていますが、郡の名前しか出てこず、都市の名前すら載っていません。
人名の一覧表もなく、一度、これ誰だっけとなったら...
ぜひ、皆さん、私と苦労を分かち合いましょう。
「炎環」 永井路子
「鎌倉殿の十三人」も、頼朝が亡くなり、長い前座が終わりました。
その主人公達の何人かにスポットライトを当てた短編集です。
「鎌倉殿の十三人」の脚本の題材は、ここから来ているのかなという場面もあります。
「黒牢城」 米澤穂信
信長に反旗を翻した荒木村重が説得に来た黒田官兵衛を捕らえて土牢に閉じ込めておいたという歴史上の話から、ミステリができました。
謎そのものは驚くようなものではありませんが、なんとなく、荒木村重と一緒に籠城しているような気分になっていきます。
そういう意味で、上質な歴史小説です。
荒木村重は信長の怒りをかって、一族郎党皆殺しにされたと聞いていたので、当然、一緒に切られたものだと思っていましたが。
「マハラジャの葬列」 アビール・ムカジー
イギリスの植民地時代のカルカッタを舞台にしたミステリ、「カルカッタの殺人」の続編です。
こういう歴史ミステリも好きですって、あまり紹介になっていませんね。
さらに続編の「阿片窟の死」も翻訳されています。
同じようなものにマット・ベイノン・リースのパレスチナシリーズがあります。
こちらは新作が出てこなくて残念です。