mRNAワクチン
2021.02.10
ワクチン接種のための行政各部の総合調整を命ぜられました。
まずファイザー社のワクチンの接種を2月中旬から始めます。
これは先行接種者健康状況調査といって、1、2万人程度の医療従事者の方を対象に、接種後約1か月に起こる副反応の症状に関する調査を行います。
この調査によって、接種部位の腫れ・痛み、発熱、頭痛など、様々な副反応の頻度など調べ、皆様に情報提供する予定です。
その後、4月頃から高齢者への接種が始まる予定です。
ファイザー社のワクチンは、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンと呼ばれ、新型コロナウイルスがヒトの細胞に侵入するためのスパイク蛋白とよばれる物質を作るための遺伝子情報を持ったmRNAを脂質ナノ粒子というもので包んだ物質が入っています。
mRNAは室温ではすぐに壊れてしまうため、ファイザー社のワクチンは、マイナス75度という超低温で輸送、保管されます。
mRNAワクチンを打つと、mRNAに基づいて体内でスパイク蛋白が生成されます。
そして、ヘルパーT細胞やB細胞と呼ばれる免疫が活性化し、スパイク蛋白に対する抗体が作り出されます。
その後、スパイク蛋白を持った新型コロナウイルスが体内に入ってくると、ワクチンによってつくり出されたスパイク蛋白に対する抗体が働き、発症や重症化を抑えます。
このワクチンを接種した人と偽薬(プラセボ)を接種した人を比較すると、2回目の接種から7日以降で、ワクチンを接種した人は0.044%の人が感染したのに対して、偽薬を接種した人は0.884%の人が感染しました。
(0.884-0.044)/0.884x100=95.0
このワクチンの有効率は95%といいます。
季節性インフルエンザのワクチンの有効率がおよそ50%といわれていますので、それに比べて有効率が高いと言えます。
mRNAワクチンには遺伝子組み換えの技術は使われておらず、mRNAがヒトの細胞の核に入ることもありません。
mRNAが核に入ったとしても、逆転写酵素がないため、DNAに組み込まれることはできません。
また、mRNAは細胞内の酵素で速やかに分解されます。
mRNAがヒトの遺伝子に変化を起こすことはありません。
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