原発と核抑止
2020.07.18
防衛大臣にも関係あるご質問が来ました。
政府は、核抑止が必要になる時に備えて原発や再処理施設を維持しようとしているというのは本当ですか、というご質問です。
世界で唯一の被爆国である我が国は非核三原則を堅持しており、また、核兵器の不拡散に関する条約(NPT)の締約国でもあり、政府は、将来にわたり、核兵器の保有を選択肢と考えていません。
以上です。
そんな身も蓋もない答をという声が聞こえてきそうですが、そもそも身も蓋もありません。
百億歩譲って、「日本独自の核抑止」を選択肢としたとしても、核兵器の材料は濃縮されたウランかプルトニウムです。
プルトニウムはすでに国内に約9トンありますから、これ以上再処理の必要はありません。
核兵器に必要なウランは濃縮ウランですが、原発ではウランを濃縮するのではなく、燃やして消費しますので、反対のことをやっています。
核オプションを目指して核実験をやれば、即座に核燃料の対日輸出は止まります。
電力を原発に依存していたら、その時点で電力不足です。
ですから「自らの手による核抑止に備えて、原発や再処理施設を維持している」というのは、意味不明です。
そもそも、この狭い日本のどこで、核実験をやるのでしょうか。