ODA 2019
2019.04.17
2018年の各国のODA実績がOECDから公表されました。
今回から、OECD開発援助委員会(DAC)によるODAの計算方式が従来の支出純額を計上する方式から贈与相当額を計上する方式に変更されました。
これまでの純額方式では、援助供与国の支出総額から被援助国が援助供与国に返済した借款の貸付元本額を差し引いた金額が支出純額として計上されます。
今回から使われる贈与相当額計上方式では、借款の金利や返済期間などの供与条件の緩さを考慮して、贈与に相当すると認められる金額がODA実績として計上されます。
ODAを時代に合ったものに改善する、いわゆる「ODAの現代化」に関する議論の結果として新方式の導入が決定されました。
新方式は、日本のODAをより的確に評価できる方式だといえるでしょう。
金利や返済期間などの供与条件が緩い円借款の比重が大きい日本の場合、純額方式に比べて、新方式では2018年実績の場合ODAの金額が約4割大きく計上されることになります。
贈与相当額計上方式による我が国のODA実績は、ドルベースで141億6,707万ドル(円ベースでは1兆5,646億円)となり、DACメンバーの中で、米国、ドイツ、英国に次ぐ第4位となります。
以前の純額方式で計算すると、我が国のODA実績は、ドルベースで100億6,358万ドル(円ベースでは1兆1,114億円)となり、米国、ドイツ、英国、フランスに次ぎ第5位になります。
DACメンバー29か国のODA実績合計は、贈与相当額計上方式では1,530億ドルとなりました。
ODAの対国民総所得(GNI)比についても、2018年実績から従来の純額方式に代えて贈与相当額計上方式が適用され、DAC全体で0.31%、我が国は0.28%となりました。我が国はDACメンバー29か国中、第16位です。
なお、換算レートはDACにより一律に指定され、2018年は1ドル=110.4378円で計算されます。