万博の裏側

2018.12.01

2025年の国際博覧会の大阪開催が決まりました。

外務省も万博誘致のため、本省と在外公館が一体となって活動してきました。

2025年の万博は、当初、大阪に加えて、ロシアのエカテリンブルク、アゼルバイジャンのバクー、フランスのパリの4都市が立候補を表明していました。

しかし、オリンピックを誘致したパリが途中で辞退し、3都市の争いとなりました。

開催地は、BIEという国際機関での加盟国による投票で決まります。

1回目の投票で3分の2以上の得票を得た都市が開催地となりますが、もし3分の2以上を取る都市がなければ、最下位の都市を除外して、上位二都市で決選投票となり、過半数得票で開催地が決定します。

BIEの加盟国は170あるのですが、分担金を支払わず、投票権が失効してしまった国がいくつもありました。

ですから当初、何か国で3分の2、あるいは決選投票で過半数が何票になるのかなかなか読めない状況でした。

そのような中、総理や閣僚、経済界、その国に工場等を置き進出している企業、元大使、ピカチュウにキティちゃん等、まさにオールジャパンで働きかけ、一か国ずつ支持をもらう努力を積み上げていきます。

国ごとに、首脳が決める国もあれば、外相や経済相が権限を持っている国もあります。

担当の大臣から支持表明があれば、その次にはぜひ、首脳にも支持表明をしていただけるよう働きかけます。

ある国が首脳や閣僚の口頭で支持を表明してくれた場合、次にやることは、支持を明文化した口上書をくださいというお願いです。

政府の公式文書で「日本を支持する」ということを確約してもらうわけです。

さらに、日本支持を対外的に言ってもらえますかと聞いてみます。

多くの国は対外的には内密でということになりますが、中には対外的に日本支持と言ってくれるところもあります。

例えば今回はイギリスが「日本支持」を公言してくれました。これはパリが撤退して宙に浮いていたであろうヨーロッパ各国の支持取り付けにも役立ちました。

支持表明があっても、その通りに投票してくれるとは限らないのが現実です。

6月に行われた前回のBIE総会と比べて、30か国以上が未納だった分担金を支払って投票権を回復し、160か国の投票で決まることになりました。

第1回目の投票では大阪85、エカテリンブルク48、バクー23でした。

外務省では、これまでの国際機関選挙での経験をもとに「票読み」をしてきましたが、1回目85票は読みどおりでした。

1回目にバクーやエカテリンブルクに支持を約束してしまったので、2回目投票になったら大阪という約束もありました。

投票の数時間前に、ローマへの出張でフランクフルトで乗り継ぎをしている私のところに、ある国の外務大臣からどうしても電話をしたいという連絡があり、これは万博がらみに違いないと電話をしたところ、大阪を支持するという表明がありました。

この国は他国支持ではないかと思われていたので、2票獲得した気分でした。

また、ある国の外務大臣に一生懸命お願いしても、話をすっとそらされてしまい、後からその国がほかの国に大阪ではない都市に入れてくれという働きかけをしていたことを聞いたり、いろいろありましたが、無事に大阪に決定しました。

今度は多くの国に、万博に参加してもらうようにお願いをして回ります。



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