日米2+2会合
2017.08.23
外務大臣就任14日目の8月16日から、米国ワシントンDCで開催されるトランプ政権下における初の2+2出席のため、小野寺防衛大臣と一緒に2泊4日で出張しました。
8月16日
09:00 宿舎発
11:00 成田発
到着すると朝なので、なるべく早くアメリカ東海岸時間に時計を合わせ、夜のつもりで寝ようと..
10:40 ワシントン ダレス空港着
12:30 佐々江大使主催昼食会@大使公邸
外務省、防衛省、大使館の打ち合わせを兼ねての昼食会。
14:30 アーリントン墓地で献花
無名戦士の墓の前で献花、記念館を視察
所作はアーリントンで献花3回目という小野寺大臣を横目で見ながら。
日本では花輪を自分で持って献花しますが、アーリントンも夕方の日系アメリカ人慰霊碑でも、花輪を持ってくれる人がいて、その花輪に軽く手を添えるというやり方でした。
15:30 マクマスター大統領補佐官との会談@行政府ビル
本来、マクマスター補佐官のオフィスはホワイトハウスの中にありますが、ホワイトハウスが大規模改修中のため、絨毯は引っぺがされ、エアコンも動かずという状況で、ホワイトハウススタッフは隣の行政府ビルに移動しているため、そちらでの会談になりました。
行政府ビルは、ホワイトハウスの隣で、元々戦争省だったものが大統領スタッフなどのためのビルに改装されたものです。
マクマスター補佐官との打ち合わせは、戦争長官(Secretary of War)スイートと呼ばれる歴史的な部屋で行われました。
雑談の中で今回のホワイトハウスの改装がいかに大規模であるかという話から、伝説のホワイトハウスの秘密の通路の話になり、マリリン・モンローが......
マデリーン・オルブライト元国務長官は、私がジョージタウン大学の学部生だったときの”American Foreign Policy Process”というゼミの怖い教授でした。
私のこのゼミのペーパーはアメリカ連邦議会の有名な上院外交委員長だったフルブライト上院議員が、アーカンソーの民主党の予備選挙で新人のデール・バンパースになぜ負けたかを分析し、”You can say whatever you want about the foreign policy, but what really matters is the price of pork at the market nearby”という結論でした。
その後、オルブライト教授はクリントン政権で国連大使に任命され、さらに国務長官に登用されました。
国務長官として初めて来日されたときに、私は在京の米国大使公邸にお招きをいただき、長官の前で直立不動でお話をし、見ていた人に先生と生徒みたいですねと言われ、いや、先生と生徒なんです。
また、オルブライト国務長官のカウンターパートが河野洋平外務大臣という時期がありました。
今回、まだジョージタウン大学で教鞭をとっておられる長官から、次に来るときはクラスに来なさいとお招き(命令?)をいただきました。
第二次大戦が始まり、米本土に住んでいた日系アメリカ人は、アメリカ国籍があるにもかかわらず、アメリカ政府によって敵性人として強制収容所に入れられました。
収容所から米軍に志願し、ヨーロッパ戦線で戦った日系人がたくさんいます。故ダニエル・イノウエ上院議員もその一人でした。
こうした経験から911直後にイスラム教徒のアメリカ国民に対するさまざまな迫害行為が始まろうとしたときに、日系アメリカ人が第二次大戦時の過ちを繰り返すなと立ち上がりました。
この慰霊碑は鉄条網に捕らわれた二羽の鶴をあらわしています。ワシントンにお出かけの際は、ぜひ、お立ち寄りください。
ワシントン近郊の日系アメリカ人のリーダーが集まってくださいました。
18:30 日系米国人代表者との夕食会
慰霊碑ちかくのステーキハウスで日系アメリカ人の方々との会食。
8月17日
08:30 打ち合わせ
09:35 国務省到着、ティラソン・マティス両長官出迎え
小野寺防衛相と一緒に、国務省一階のデレゲイツラウンジで両長官にお出迎えをいただきました。
09:45 2+2会合
2+2の本会合は、国務省一階の1105会議室で円卓を囲んで行われました。
双方、10名ずつぐらいが参加しましたが、話をするのは両長官と両大臣で、同時通訳が入ります。途中で、私が話すスピードに同時通訳がついていけてないので、もっとゆっくり話してくださいというメモが入ったり。
1時間ぐらいやるとコーヒーブレークになります。
12:00 2+2ワーキングランチ
本会合だけでは議題がすべて終わらないので、ワーキングランチ。
国務省7階の条約ルームと呼ばれる歴史ある、きれいな部屋で。
メニューは
Chilled Sweet Corn Veloute
Grilled Filet of Beef Tenderloin
Green Tea Panna Cotta
雑談は英語ですが、議題に入るとここでも同時通訳入りです。
13:30 共同記者会見
向かって左から、小野寺防衛相、私、ティラソン国務長官、マティス国防長官の順番で並び、国務長官、外務大臣、国防長官、防衛大臣の順番に冒頭発言をすると、アメリカメディア、日本メディア、アメリカメディア、日本メディアの順番で質問があって、終了です。
国務省1階のディーンアチソンルームでした。
外相会談は国務省の会議室。特別なフロアのようですが、非常にセキュリティが厳しい会議室です。
日本側からは逐次通訳でやろうと申し入れたのですが、先方から時間も限られているから同時通訳でということになりました。
ティラソン長官とは、マニラで日米、日米韓、日米豪の会談をやり、午前中に2+2本会合、ワーキングランチをやったあとなので、かなり和気あいあい(?)の雰囲気での会談になりました。
15:20 ぶら下がり記者会見
日本のメディアとのぶら下がり記者会見@ホテル
17:00 ライトハイザー通商代表との会談@USTR
2日目はジョージタウン大学のネクタイを締めていました。ライトハイザー通商代表はジョージタウン卒業ですし、マクマスター補佐官のお嬢さんもジョージタウン、その他、ワシントンにはジョージタウンOBがたくさんいます。
ライトハイザー通商代表は、わざわざジョージタウンのスウェットをお土産に用意してくれていました。
ちなみに成田空港では、水曜日に試合のあった湘南ベルマーレのネクタイを締め(アメリカに到着したらベルマーレが勝利を収めていました)、ダレス空港からは慰霊碑での献花のために、紺のネクタイを締めていました。
19:00 米日財団リーダーシッププログラムフェローとの夕食会
米日財団の会長のジム・リントット夫妻主催で在ワシントンのフェローとの夕食会@フュージョンメキシカン料理。
8月18日
07:45 記者懇談会@ホテル内カフェ
シーファー元駐日米国大使が朝食をとっていらっしゃいました。
08:45 打ち合わせ
09:15 ワシントンポストインタビュー
10:00 大使館員との写真撮影
10:30 ホテル発
12:20 ワシントン ダレス空港発
時差を直すために行きはよく寝て、帰りは寝ずに起きているのが良いのではということで、機内で「白い巨塔」第二部を連続で見ながら頑張りました。
8月19日
14:40 成田着