二つの接点
2017.02.21
障碍福祉サービスを提供している事業所の報酬単価は、人件費の地域差を反映させるために、自治体ごとに決定されています。
例えば神奈川県の例でみると、平塚市は5級地で6%上乗せの対象になり、小田原市は6級地で3%上乗せされます。
ところが中井町と二宮町も6級地になっているのに対して、大磯町は上乗せがない「その他」という地域に指定されています。
多くの方が、なんで二宮町と大磯町の区分が違うのと疑問に思われると思います。
この報酬単価は、国家公務員の地域手当の区分を基本に決められますが、この地域区分は、国の官署所在地にしか設定されません。
そのため、国の官署がない地域は別のルールが適用されます。
もともとは大磯町にも二宮町にも国の官署がなかったので、地域区分の指定がありません。つまり、そのままなら「その他」に区分されます。
そういう自治体のなかで、国の官署のある2か所以上の自治体と境界を接している自治体については、そのうち一番低い等級まで引き上げが行われます。
二宮町は、6級地の小田原市と5級地の平塚市に接しているので、6級地に引き上げられます。
しかし、大磯町は5級地の平塚市ともともと「その他」の二宮町にしか接していないので、引き上げの対象にならず、「その他」のままです。
二宮町と平塚市の接しているところは、ゴルフ場で長さもわずか数十メートルですが、それでも2か所は2か所ということになります。
大磯町は区分指定がある自治体とは平塚市としか接していませんが、その接している距離は、二宮町が平塚市と小田原市と接している距離よりも長くなっています。
こうみてみると、この指定の方法は、合理性に欠けると言わざるを得ません。
二宮町に法務局ができましたので、来年4月からの改定時には、大磯町は、5級地の平塚市と6級地の二宮町の2か所に接していることになるため、6級地に引き上げられることになります。
ここまでは障碍者の福祉サービスの地域区分で、障碍児の地域サービス区分は違うルールが適用されます。
さらに言えば、障碍福祉サービスの地域区分のルールと介護の地域区分のルールもまた違っています。
そろそろ、地域区分ルールを合理的な設定方法に改めると同時に、さまざまなサービス間のルールの統一も行っていく必要があると思います。
行政改革推進本部から厚生労働部会及び厚労省に、ルールの合理化と簡素化を申し入れていきます。