続皇室費
2017.01.24
皇室費のなかには内廷費、皇族費、宮廷費が含まれます。
そのうち内廷費と皇族費は御手元金として、各皇族の日常の費用等に充てることになっており、宮内庁はこれを管理しません。
この金額は皇室経済法および皇室経済法施行法で定められています。
内廷費は3億2400万円。
独立の生計を営む親王に対し支出される皇族費の定額は3050万円。
親王の妃に対しては、定額の2分の1。ただし、その夫を失って独立の生計を営む親王妃に対しては定額が支払われます。
独立の生計を営む内親王に対しては定額の2分の1。
独立の生計を営まない親王、その妃及び内親王に対しては定額の10分の1、ただし成年に達した者に対しては定額の10分の3。
王、王妃及び女王に対しては、親王、親王妃、および内親王に対する金額の10分の7。
(王とは直系尊属の天皇から数えて三親等以上離れた皇族男子を言い、王妃はその妃。女王は三親等以上離れた皇族女子を言います。現在、女王殿下は4人いらっしゃいますが、王、王妃は現在の皇室典範のもとではいらっしゃいません。)
摂政たる皇族に対しては、在任中は定額の3倍。
内廷費及び皇族費の定額は皇室経済法施行法で定められ、それに対する割合は皇室経済法で定められます。
この金額は平成8年に改定されました。その前の改定は平成2年でした。
内廷費、皇族費の改定は、物件費や人件費のインフレによる伸びが累計で10%を超えた場合に改定の対象となります。
所得税法第9条は、所得税の対象とならないものを挙げていますが、その第12項は
「皇室経済法 (昭和二十二年法律第四号)第四条第一項 (内廷費)及び第六条第一項 (皇族費)の規定により受ける給付」とあり、内廷費、皇族費には所得税は課せられませんので、上記の金額は全て手取りになります。
親王と内親王の差については上記のとおりですが、その他に、皇族男子が留学される場合はいわば公費である宮廷費が使われるのに対し、皇族女子が留学されるときには御手元金である皇族費で行かれるなどの慣習があります。
これは皇族男子は皇位継承の可能性があるのに対し、皇族女子にはそれがないなどの理由によるものと考えられます。
今上天皇の譲位が議論されていますが、これからの皇位継承のありかたについての議論は待ったなしだと思います。
皇太子殿下、秋篠宮殿下の次の世代の皇族男子が御一人となってしまった現実を直視し、皇室の安定を図るためにはどうするべきか、譲位の前に答えを出す必要があると思います。