もう一度研究者の皆様へ
2017.01.14
二神孝一、神谷和也、芹澤成弘、柴田章久という四人の研究者によって書かれた「9大学経済学研究科及び附置研究所の研究業績比較調査(2015年)」 というペーパーがあります。
www.iser.osaka-u.ac.jp/library/dp/2016/DP0974.pdf
東京大学
一橋大学
京都大学
大阪大学
神戸大学
北海道大学
東北大学
名古屋大学
九州大学
の各経済学研究科
及び
東京大学社会科学研究所
一橋大学経済研究所
京都大学経済研究所
大阪大学社会経済研究所
神戸大学経済経営研究所
の
「2015 年 4 月 1 日時点、各部局 HP に掲載されている専任講師以上の研究者」の業績をトムソン・ロイターの Web of Scienceが公表しているAIS (Article Influence Score)ランキングの2007 年から 2014 年までの年間ランキングに基づいて作成された「TOP20」、「TOP50」、「TOP100」、「TOP200」 というリスト及び経済学の隣接分野を含んだ「拡張リスト」に含まれる学術誌に掲載された論文数をもとに比較した調査です。
各部局の掲載論文数の合計、部局ごとの「一人当たりの論文数」、そして、各部局の教員を論文数の多い順にならべ、ちょうど中位にある教員の論文数である「中位値」の三つの数字で比較しています。
この論文によると「どの部局でも、リスト、期間にかかわらず、一人当たりよりも、中位値が低くなっている。これは、どの部局でも、多くの論文掲載が一部の研究者に偏っていることを示唆している。特に、中位値がゼロになっている場合は、その部局の過半数の研究者が、当該期間に当該リ ストの学術誌へ掲載した論文数がゼロであることを意味する。」
「どの部局においても、論文数と被引用数のどちらの指標でも、中位値は一人当たり の統計値よりも低くなっており、研究成果は部局の一部の研究者に偏っている。日本では、一部の研究者が国際的に華々しい研究成果を出す一方で、多数の研究者が国際的な研究成果をほとんど出していないと言われている。本調査でも、それが裏付けられた」
例えばこの論文によると、過去十年間にTOP200の国際学術誌に掲載された論文数の「中位値」は以下の通りです。
大阪大学(所)3.08
東京大学(科)0.00
京都大学(所)1.50
一橋大学(科)0.00
東京大学(所)0.00
神戸大学(所)0.00
一橋大学(所)0.50
大阪大学(科)0.00
京都大学(科)0.00
神戸大学(科)0.00
名古屋大学(科)0.00
北海道大学(科)0.00
東北大学(科)0.00
九州大学(科)0.00
大半の大学が、論文掲載数の中位値が0、つまり「その部局の過半数の研究者が、当該期間に当該リ ストの学術誌へ掲載した論文数がゼロである」ということに驚きました。
これはどう解釈したらよいのでしょうか。
これは経済学部独特の結果なのでしょうか。
研究者の皆様のご意見をお寄せください。
http://www.taro.org/?p=15 まで。