対北朝鮮制裁
2016.12.09
9月9日に北朝鮮が強行した核実験に対する国連安保理決議が11月30日に採択されました。
これまでは北朝鮮からの石炭の輸入の禁止に抜け道がありましたが、今回は数字で上限を定め、抜け道を塞ぐ決議になりました。
北朝鮮は年間に外貨を約30億ドル稼ぎますが、そのうち石炭の輸出が10億ドル近くになります。この金額は、北朝鮮の核・ミサイルの開発費用に等しいとも言われます。
北朝鮮の石炭輸出の8割は中国向けです。
今回の決議では、北朝鮮からの石炭の輸入の上限を4億ドルとすることで、石炭の輸出額を6億ドル引き下げました。
同様に北朝鮮が輸出する銅、ニッケル、銀、亜鉛など非鉄金属の輸出を1億ドル引き下げ、その他の輸出品の上限も1億ドル引き下げました。
この結果、北朝鮮からの輸出は、8億ドル減少することになります。
北朝鮮からの輸出入の90%は対中国、1%が対ロシアです。
この他、今回の決議では、「北朝鮮にいる人々(People in the DPRK)」の福祉と固有の尊厳を尊重し、確保することの必要性を強調する文言となりました。
「拉致」という言葉は、毎回、中国が反対し、盛り込まれませんが、北朝鮮「にいる」人々という言葉には、拉致被害者等を含むという意図が盛り込まれています。
これを受けて、日本は、北朝鮮を渡航先とする再入国禁止の対象となる、在日の北朝鮮当局職員が行う当局職員としての活動を補佐する立場にある者を拡大するとともに、同様に再入国の禁止の対象となる在日外国人の核・ミサイル技術者を拡大します。
さらに、北朝鮮に寄港した日本籍船舶の日本入港を禁止することとし、これにより、北朝鮮に寄稿したすべての船舶の入港が禁止されます。
さらに、資産凍結の対象となる北朝鮮の核・ミサイル計画等に関連する団体・個人を拡大します。
こうしたことにより、北朝鮮が核、ミサイル、そして拉致問題に関して問題解決のための具体的な行動をとるように強く求めていきます。