もうちよっと研究者の皆様へ
2016.11.17
まだ時差ボケですが、文科省、内閣府と打ち合わせしました。
まず、学会出席などの時に、託児費用を研究費から「出せます」。
研究に必要な経費として、明示されていないけれども出せるというのが文科省の見解です。
競争的資金の様々な書類に関しては、来年度からを目指して、内閣府で統一を図ります。
さて、文科省調査の附属病院を除いた教員、職員数です。
年度 16年度 17年度 26年度 27年度
教員
常勤 51, 328 50,547 50,208 50,400 (除付属学校・附属病院)
非常勤 - 31,296 42,000 42,644
職員
常勤 27,025 27,175 23,494 24,376
非常勤 – 33,620 57,651 59,984
非常勤職員数の伸びが大きいことがわかります。「研究者の皆様へ」でお示しした教員数は常勤数から付属学校を除いた数、職員数は常勤数に近いけれど微妙に数字が違っています。
また、寄せられた研究費の使い勝手の悪さのほとんどがローカルルールのようです。
英語の領収書が使えない。 ローカルルールです。
外国で使うPCを買うことができない。 ローカルルールです。
研究相手に持っていく手土産を買えない。 買えません。自腹です。
インタビューや実験参加の謝礼を支払えない。 ローカルルールです。
海外から招へいした研究者との食事代を支払えない。 ローカルルールです。打ち合わせならできます。
PCが壊れたら、相見積をとらねばならず、即日買うことができない。 ローカルルールです。
しかし、こうしたローカルルールをいかにやめさせるか、真剣に検討しなければならないようです。文科省は何となく他人事のようですが、そもそも事務方の人事はいまだに文科省が関与していますので、他人事で済む話ではありません。
常勤の研究者が、過去五年間に、少なくとも一回以上引用された論文をどれぐらい書いたか、学部ごとの中央値を調べてもらっています。某旧帝大の某学部ではこの中央値が0だったという話があります。
また、各大学院ごとに、博士卒後、ポスドク職に就いた人数、任期、収入とその資金源を調べてもらっています。
アカデミックハラスメントは、まず、学科ごとの休学率、退学率を調べてもらっています。
海外特別研究員のルールについても、ご指摘のあったような病気の場合の帰国旅費などは出せるようにできないか、検討を始めてもらいました。また、帰国ルールについても弾力的な運用ができないか、検討してもらっています。
業績について、ポータルに一度入力すれば、それを参照できるようにして、少なくともその部分の手間を省けるようにできるよう、内閣府が関係部署と検討を始めています。
研究者が、自腹で研究費を支払うことが多いようですが、研究者が大学に寄付をして、大学が一定割合を手数料として取った残りが研究者の研究室にまわるようにしているところがあります。この場合、確定申告すれば寄付金控除が認められます。
学術雑誌が高騰して、読めないものが増えていることについて、文科省としても対応を検討してもらっています。この問題は認識されているようです。
運営費交付金が減っていることがどのように影響を及ぼしているのか、文科省でデータとともにまとめてもらっています。
大変多くのメールをいただいております。ありがとうございます。