退任記者会見
2016.08.04
河野内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見要旨(速記版)
(平成28年8月3日(水)14:05~14:25
於)中央合同庁舎第2号館16階第1会議室)
1.発言要旨
昨年の10月からでございましたが、いろいろありがとうございました。
先ほど、総理と最後の御挨拶をさせていただきましたが、総理から「熊本地震の完璧な対応、ありがとうございました」ということでお褒めを頂戴いたしました。
熊本地震の対応は、オール霞が関でやっていただきまして、霞が関の組織力のすばらしさというのを私も目の当たりにいたしました。
本当にそれぞれ司々でやるべきことをやっていただいた、その結果だと思っております。
まだ、この暑い中、2,900人の方が避難所生活をされていらっしゃいますので、早く住まいがきっちり確保され、また、産業の振興あるいは熊本城をはじめとした復興へしっかり歩んでいただきたいと思っております。
個人的には、行政改革担当大臣として、今までほとんどメスが入らなかった原子力関係、エネルギー関係の予算をしっかり見ることができたというのが一番やったかなという気がしております。
原子力に関する交付金は、交付要綱すら公開をされていない、交付金の使い道について、PDCAサイクルなんというのはほど遠いような状況でございましたが、これがきっちりと回るように、少なくともシステム上はなりましたので、今後しっかり見ていきたいと思っております。
海栄丸とかRETFとかしようもない予算はしっかりと削りましたし、JAEAの体質改善にも、監視委員会の皆さんのお力をおかりして大きく踏み込むことができたかなと思っております。
行革では、昨年の秋のレビューもありましたし、国の施設の開放というのは大きく進んだと思います。
いまだ宮内庁は料金を取って、それで施設整備をするということには極めて後ろ向きでありますが、後任の大臣には、そこをしっかり切り込んでいっていただきたいと思っております。
BPRも無事に、ぎりぎりになりましたが、各省の御了解をいただくことができて、旅費会計のところの改善が図られるようになったというのも、実は大きなことではないかなと自画自賛しております。
公務員制度担当といたしましては、あわや国家公安委員長と公務員制度担当大臣が大臣折衝をするかという変な状況にもなりましたが、しっかり定員の切り込みということはできたと思っておりますし、働き方改革というところは、小室さんのお力をおかりして、これから進んでいく道筋をつけられたのではないかと思っております。
特に、国会の質問通告に関しましては、今回、調査結果を出させていただきました。
私としては、各議員が責任を持って通告をするように、通告時間と通告者は公開すべきだと思います。
この秋の臨時国会から、それをしっかり公開をして、国会のほうにも責任を果たしてもらう必要は大いにあるのだろうというふうに思っております。
規制改革会議では、47都道府県の一つずつ事務所があった支払基金、これをとにかく潰して、支払基金を一つにして、しかも、東京から地方に移転をする。
支払いの審査の一元化をするという道筋はつけたと思います。厚労省の中で抵抗があるようなら、これは後任の大臣と塩崎厚労大臣できちんとそうしたものを潰していっていただきたいと思っております。
公文書館についても、場所を決めることができましたし、国立公文書館に入場者数年間4万人という目標を立てましたが、目標に向けてかなりそれぞれの企画展、特別展、好評を頂いております。
アーキビストという名前を日本語にしようというところは、日本語が決まらなかったのはちょっと残念ですが、これも後任の大臣にしっかり決めていっていただきたいと思っております。
防災については、熊本地震の対応というのがもちろん一番大きかったわけですが、防災4.0、内閣府防災のお力をおかりして、この4.0の会議体を無事終えることができました。
9月ごろまでをめどに、その成果を本にして出版をしていきたいというふうに思っております。
防災4.0を受けて、全世界を対象に、地震予見コンテストというのをやろうということを考えておりました。
地震の予見ができれば、賞金総額1億円ぐらい出してもいいのではないか。
まだスポンサーを探しているところで、発表するには至りませんでしたが、と言いながら今言っていますが、是非、今までの専門家と違う視点で地震の予見というのができれば、我が国の防災には非常に資するのではないか。
また、防災に関する様々なウェブシステム、アプリについてもコンテストをやっていこうということがありますので、これもしっかり引き継いでまいりたいと思っております。
消費者庁につきましては、徳島県の大いなるバックアップをいただきまして、徳島県に仮称ですけれども「消費者行政新未来創造オフィス」というのを設置する取りあえずの方向性を出させていただきました。
定員要求あるいは概算要求というのがこれからございますし、まち・ひと・しごと創生本部との最終的な意思疎通、意思決定というのもありますが、それに向けてしっかり進めていただきたいと思っております。
また、消費者庁としては、電力自由化に関する様々な問題点につきまして、経産省にかなり厳しく物事を言ってきたつもりでございます。
それを受けて、経産省がしっかり対応するかどうか、党からもしっかり見てまいりたいと思っておりますし、遺伝子組換え食品や、あるいは加工食品の表示といったことについても、少し方向性を出してまいりましたので、これが最後まできちんといけるようにやってまいりたいと思っております。
国家公安委員長といたしましては、今朝も津久井署にお伺いをいたしましたが、現場最前線のお巡りさんが誇りを持って、目的を持って仕事ができる環境を是非つくっていくということを後任の松本純大臣には、しっかりと進めていっていただきたいと思っております。
おかげさまで、サミットは一人の逮捕者も出さず警備を完遂し、オバマ大統領の広島訪問も無事に終わることができました。
当初心配をされていた山口組の分裂抗争も、何とか今防いでいる状況だと思います。
暴対法を改正して、暴力団の存在そのものを許さずということに向けて更なる一歩を進めてもらいたいと思いますし、テロ対策、サイバーテロに関しては、かなり国際的にも国家公安委員長として発言をさせていただきました。
この二つの分野は、日本一カ国では対処できないわけですから、警察としてしっかり国際連携を深めていっていただきたいと思っております。
そして、何よりも国家公安委員長として、国家公安委員会の運営を少し変えさせていただきました。
まだ新しい国家公安委員会の議事録がオープンにはなっていないのかもしれませんが、1回目のヘイトスピーチを初めとして警察の中長期的な課題について、国家公安委員会でしっかりと議論をし、最終的には何らかの方向性を出して、警察をリードできる、そういう国家公安委員会であってほしいと思っております。
お飾りの組織ではなく、きちんと警察を指揮できるような国家公安委員会で今後ともあり続けてほしいと思っております。
そのほか、公益法人制度では、公益法人制度が新制度になって、実は余りよくなっていないというクレームを相当いただきました。
収支相償の問題もそうですし、変更認定の問題もそうですし、行政庁、内閣府と都道府県ごとに対応が違うということもございましたので、こうしたことをしっかりと直して、少なくとも公益のためにやっている団体がしっかりと前向きに活動ができるように、それを後押しするような公益法人制度でなければならないと思っておりますので、そのように事務局もしっかりと後押しができるようにやっていっていただきたいと思っております。
特定秘密のことにつきましても、滑り出してしっかりと政府内でもそれを対応していくという体制がとれているのではないかというふうに思っておりますので、ここも引き続きしっかりやっていっていただきたいと思っております。
その他大きいところから小さいところまでいろいろありましたが、やれることはかなりやったかな。
「ゆう活」をしっかりやってくれと言いながら、私のせいで「ゆう活」ができなかった部署というのが最後結構ありましたのは心苦しく思っておりますが、やれることは精一杯やってきたつもりでございます。
ということで、本当にお世話になりました。ありがとうございました。
2.質疑応答
(問)警察庁記者クラブ、共同通信の三井といいます。幹事社をやっております。
私のほうから、まず最初に一つお聞かせください。大臣に御質問します。
10か月余りの御在任でしたけど、先ほど大臣が印象に残られたこと、熊本地震やサミットの話、山口組の話をされたので、逆に心残り、もう少しこれ踏み込んでやりたかったかなということがもしあれば、何か一つお聞かせください。
(答)国家公安委員会は、これまで議題と報告案件という形で進めさせていただきましたが、そこをもう少ししっかり見直しをしようという御提案が委員からもありまして、何を報告してもらうべきなのか、何を議論すべきなのか、何を決めるべきなのか、そこを少しきちんと見直そうということをやりましたが、時間切れになってしまいましたので、後任の松本大臣にそこはしっかり引き継いでいきたいと思っております。
それともう一つ、警察関係で心残りだったのは、記者会見は私、閣議後の記者会見と国家公安委員会後の記者会見と二つやらせていただいておりました。
閣議後の記者会見は、何が聞かれるかわからないということで、やや毎回緊張しながらやっておりましたが、国家公安委員会後の記者会見は、余りそういう緊張感がなく終わってしまったかなということで、本当はもう少しそこを活性化するということが、国家公安委員会としても望ましいのではないかと思っておりました。
それができずに終わったというのは、ちょっと残念かなと思っております。
(問)日経新聞の上林です。
規制改革に関しては、生乳の流通自由化を打ち出したり、消費者庁については、徳島移転を打ち出したり、いずれも結論については先送りになっているかと思います。
大臣、昨年10月に就任されて、業界団体とかそういう抵抗勢力と戦う難しさとかそういったものを感じられたものがあれば、一言教えていただければと思います。
(答)規制改革会議の、特に生乳については、「指定団体の廃止」という言葉遣いが、指定を廃止するのだというところではなくて、団体を廃止するのだというふうにとられてしまったというのが、ちょっと申し訳なく思っております。
そこは、もう少し日本語を気をつけるべきだったと思っております。
それゆえに、あらぬ誤解を多分に受けたところがあって、本来の本質的な議論と外れたところで様々議論が巻き起こってしまったというのは、むしろ、こちら側の落ち度だったのかなと、きちんと誤解を受けないよう分かりやすく説明をした上で、本質的な議論をやはりしていかなければいけなかったというのが、一つの反省点でございます。
消費者庁の移転につきましては、反対のための反対というのが多かったのではないかというふうに思っております。
マスコミの中にも、本音は賛成だけど、建前上反対をしているみたいなところもありましたので、そういうことではなくて、消費者行政に資する、しかも、地方創生にも資するというところのために何をしていったらいいのか、どういうことをやったらいいのかということをもう少しきちんと議論ができたらいいなと思っております。
そういう意味では、反対のための反対で、中身の議論がなかなかできなかったというのは、ちょっと残念に思っております。
(問)徳島新聞社の伊藤と申します。
今の関連なのですけれども、徳島への消費者庁の移転に関してですが、新しい消費者行政の研究拠点を徳島に置かれるという方向性を打ち出されましたけれども、結局、大臣のリーダーシップの下でそこが進んできたような側面があるように感じているのですが、大臣にかわってしまうことで、結果として、そこの部分はできたけれども、全体の移転としてはうやむやになってしまうのではないかというような不安というようなものが徳島の県民の中にはあるわけですが、そのあたり、飽くまでも全面移転に向けた検討は続けていく中で、まずは徳島ででき得ることをトライしていく。
飽くまでも全面移転に向けた取組を3年めどに続けた上で、最終的な決定をしていくということに関して、後任の大臣等にそのあたりは強く引き継いでいかれるというか、そのあたりについてのお考えをお聞かせください。
(答)先般、二十何日の閣議で総理から、「3日に内閣改造を行います」という閣僚懇での御発言がありましてから、それぞれの担務で私がやり残していること、引き継がなくてはいけないことは、秘書官の手伝いもいただいて丹念に引継書を作りましたので、今の消費者庁移転にかかわらず、残っていることは後任のそれぞれの大臣にしっかり引継書という形で引き継いでいきたいというふうに思っておりますし、その準備はしっかりできております。
また、消費者庁は川口次長をヘッドにワーキングチームを立ち上げて、徳島県と今後具体的に様々な御相談をさせていただくようになっておりますので、そこについては、消費者庁の中は、私がかわってもぶれるということはないと思っておりますし、徳島県側も、知事をはじめ、そこはぶれないだろうというふうに思っておりますので、3年間という期間を通じて、いろいろな外部環境が変わる中、また、変えていく中で、しっかりと前に進めてもらいたいと思っております。
(問)神奈川新聞の大槻です。
先ほど御紹介いただいたように、非常に多岐にわたる所管の中で10か月大臣をされてきたのですけれども、今後、党なのか、あるいは政府なのか、また活動されていくと思いますけれども、この10か月の経験というのは、今後、河野大臣としてはどういうふうに政治活動に生かしていこうというふうにお考えでしょうか。
(答)どういうわけだか私が防災で担当することになりました米軍の原子力艦の基準、特に横須賀に関係するところをきちんと引下げをさせていただいたというのは、先ほど本当は言わなくてはいけないところを忘れておりましたが、この10か月、やはり霞が関のベクトルが合ったときの力というのは非常にすばらしいというのは、その原子力艦の議論を通じて、あるいは防災を通じて、あるいは警察の活動を通じて、様々な場面でベクトルがきちんと揃ったときの力強さというのは非常にすごいものがあるというふうに感じました。
やはり霞が関の力をいかにうまく引き出してあげるか。マイクロマネジメントするのではなくて、大きな方向性を示して、霞が関の力をかりてそれを実現していくというところが大事だ。
しかも、それがやろうと思ったらしっかりできるというところは実感をいたしましたので、そういうところに気を配っていきたいというふうに思っております。
その一方で、なかなかベクトルが揃わなかったり、いろいろなところもありましたので、そこはやはり政治がきちんと号令をかける部分と、号令をかけて方向性を出して、あときちんと任せる部分というのがあるのだろうと思います。
任せる部分も、任せっきりにするのではなくて、時々目配りをしているというのは、やはり大事なのかなというふうに思いました。
どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
(以 上)