霞が関消灯!
2016.07.02
今年も国家公務員の「ゆう活」が7月、8月に行われます。
昨年は、国会が延長され、国会対応業務でゆう活どころではなかった官僚も多かったかもしれません。
今回は、しっかりとゆう活に取り組んでもらいたいと思っています。
今年は、フレックスタイム制度が霞が関に導入されたこともあって、早い時間の退庁を目指します。
6月28日の閣議後の閣僚懇談会では、夜8時には役所も消灯をしていただきたいと呼びかけ、退庁を促すために私も巡回しますが、閣僚もそれぞれ巡回してほしいとお願いしました。
その後の官房長官の記者会見で、「河野大臣が点検して回るという強い決意で臨むので、期待したい。 私もそれに倣って注意されないように努力する」と、官房長官も笑いながら、決意(?)を述べていらっしゃいました。
消灯時間だよといって巡回するのは、修学旅行の先生を思い出しますが、早く帰れといって霞が関の官僚が早く帰れるものでしょうか。
7月1日、消費者庁は4人を除いて夜8時にはみんな退庁。
一つは今年はこの期間、国会が閉会中であり、国会対応がないことは大きいと思います。 この件は、また、別に詳しく報告することにします。
もう一つは、霞が関の働き方改革をさらに加速させます。
霞が関は、時間コストの考え方が希薄だと言われます。
ここにしっかりメスを入れたいと思います。
一つ例を挙げると、霞が関における旅費の精算があります。
以前、官房長官から呼ばれて、霞が関の旅費の精算に時間がかかりすぎている。
例えば、若手の官僚が、自分のクレジットカードで切符を買って出張に行き、その引き落としまでに旅費の払い戻しができていないことがたびたびある。 これではまるでブラック企業だ!
ということで、行革事務局で、旅費の精算のスピードアップを促すことになりました。
ところが調べてみると、旅費の精算をスピードアップしろというだけではどうにもならない、根深い問題がありました。
例えば、出張先に行くためには、もっとも安い手段・経路で行かなければならない。 これは当たり前のことですが、そのために実は大きな無駄をしていました。
これよりも安い経路があるのではないか、もっと安いパック商品があるのではないかなどと、100円、200円安い経路を探すために、給料の高い人が時間をかけて調べている。 時給を考えたら、コストがどんどんかかっているというようなことが当たり前に起きていました。
添付書類もどんどん増えていくばかり。
ということで、事務次官の会議に私が出席して、各省の協力をお願いして、旅費の精算の合理化をスタートさせました。
旅費の精算を単にスピードアップするのではなく、精算を合理化した上で、各省バラバラなルールを統一し、プロセスの合理化を反映させたシステムをつくるという作業を進めています。
民間ではシステムを導入する際に、まず業務を見直しして、合理化できるものは合理化したうえで、それを実行するためのシステムを入れます。
しかし、霞が関では、各省がやっているやり方そのものを、そのままシステムでできるようにしていたことが多く、手書きがキーボード入力になっただけというシステムの導入が目立ちます。
こうしたことを一つずつ改め、霞が関の働き方を変え、きっちりと定時に帰れる霞が関を目指します。
夜8時に電気を消すのは、それ自体が目的ではなく、働き方を変えるぞという号令のようなものです。