行方不明者
2016.06.20
昨年一年間の行方不明者の状況がまとまりました。
昨年一年間に行方不明者届が出された者は82,035人、所在が確認された者は80,232人となりました。
年代別で最も行方不明者が多いのは10歳代で、17,071人、ついで70歳以上の16,681人、20歳代の16,005人です。
人口10万人当たりに直してみると、10歳代が147人、20歳代が125人、30歳代と70歳以上が69人となっています。
とくに20歳代の人口10万人当たりの行方不明者数は平成23年から増え続いています。
行方不明者の所在が確認された場合、当日に所在が確認されたケースが全体の38%、7日目までに確認されたのが72%、14日目までが76%、1か月目までが80%です。
認知症に係る行方不明の場合は、当日に所在が確認されるのが69%、7日目までに所在が確認されたのが98%となります。
しかし、認知症の方の場合は、発見時に既に亡くなっていた方が479人おり、その数は年々増加しています。そのため警察は、事件、事故に遭遇する可能性が高い認知症に係る行方不明者の発見、保護の取り組みを強化しています。
認知症に係る行方不明者が発見、保護された例では、タクシーネットワークや防災無線による発見、身に着けていたGPS端末による位置情報による発見、警察犬による足取りの追跡、着衣に住所・氏名・電話番号をつけていて連絡が取れた例などがありました。
また、警察では、各市町村から身元不明のまま保護している方々の写真の提供を受けて、全国の警察本部及びすべての警察署において行方不明者の家族など届出者の閲覧に供しています。
このように、この問題は、地域社会全体で取り組むことが不可欠です。認知症の方の数は増加していくことが予想され、徘徊による行方不明者の発見、保護は大きな課題であり、今後とも、警察、自治体、関係機関が連携して取り組みを推進して参ります。