東京電力の未払い
2016.06.25
東京電力福島第一原子力発電所の事故により放射性物質が大量に放出され、環境が汚染されました。
放射性物質汚染対処特措法の規定により、除染等にかかる費用は東京電力に支払い義務があります。
除染には、除染を国が実施する除染特別地域と市町村が除染を実施する除染実施区域があります。
どちらも東京電力に対して費用が求償されます。
最初に東京電力に対して費用の求償が行われたのは平成24年11月でした。
それ以来、東京電力に対して合計14回の除染の費用の求償が行われています。
東京電力に対して求償した金額は2016年5月末で7073億円。
それに対して東京電力が実際に支払ったのは、そのうちの4194億円、わずか59%に過ぎません。
行革事務局は、東電への求償の最大額を有する環境省を中心に、早急に対応するよう求めました。
また、市町村除染実施区域にある国有財産の除染を国が行う事業が平成26年度から始まっています。
法務省、財務省、文科省、厚労省、農水省、国交省及び防衛省の施設が対象となっています。
除染に要した費用は、事故を起こした東京電力に求償し、東京電力が支払うことになっています。
しかし、すでに終わった2か年分の費用の多くを東京電力はいまだに支払っていません。
そこで行革事務局では、各省庁に、これまで除染に費用がいくらかかったのか、その分が東京電力にきちんと求償されたのか、そして東京電力がきちんと支払っているのかを確認しました。
各省庁から東京電力に求償されていない分もあり、また、求償されたものの東京電力の支払いが遅れている分もかなりありました。
事故を起こし、放射性物質をまき散らした東京電力ですが、国有財産のみならず、一般的な除染費用の支払いも滞りがちになっています。
(千円)求償すべき金額 求償金額 東電より支払済額
法務省 291,929 33,541
財務省 51,544 7,830 7,830
文科省 352,620 352,620 20,304
厚労省 144,914 108 108
国交省1,291,524 589,505 0
行革事務局から各省に対して、きちんと東電に求償すること、その時に支払のための処理期間をはっきりさせることを求めました。
東京電力の支払い状況に関しては、定期的に公開していく予定です。