刑法犯
2016.01.15
殺人や強盗からひったくり、すり、空き巣などの犯罪数(刑法犯認知件数 平成27年は暫定値)は、平成14年の2,853,739件から13年連続して減り続けて、昨年は1,099,048件と戦後最少になりました。
人口千人当たりの刑法犯認知件数である犯罪率も8.65件と戦後最少、殺人も戦後最少であった平成25年を下回り、933件とやはり戦後最少になりました。
刑法犯の検挙率は32.5%、重要犯罪の検挙率は72.3%と16年ぶりに70%を上回りました。
平成14年ごろは、窃盗の被害額は約3000億円に対し、詐欺の被害は500億円程度でした。
ところが窃盗の被害額が大きく低下したのに対し、詐欺の被害が800億円程度に増加し、とうとう一昨年は詐欺の被害額が初めて窃盗を上回りました。
詐欺のなかで振り込め詐欺の1件当たりの現金被害額が300万円程度であるのに対し、その他の詐欺が1件当たり100万円強となっています。
振り込め詐欺の中でも架空請求の1件当たり現金被害額が400万円を超え最も多く、約300万円のオレオレ詐欺、100万円強の融資保証金詐欺と還付金詐欺が続きます。
手口別窃盗認知件数の減少
窃盗の種類 平成14年の件数 平成27年の件数 減少率%
自販機ねらい 174,718 13,244 -92.4
ひったくり 52,919 4,142 -92.2
車上ねらい 443,298 65,028 -85.3
事務所荒し 49,411 8,283 -83.2
すり 24,590 4,222 -82.8
オートバイ盗 198,642 35,485 -82.1
金庫破り 10,345 1,916 -81.5
空き巣 147,500 31,430 -78.7
自動車盗 62,673 13,821 -77.9
出店荒し 48,719 11,317 -76.8
部品ねらい 128,539 32,588 -74.6
自転車盗 514,120 260,552 -49.3
部品ねらいの被害品別被害件数(指数)の推移では、平成16年を100とすると平成27年にカーステレオは0.3まで、カーナビは8.3まで減少しました。
ひったくりの年齢層別検挙人員をみると、平成14年に14-19歳の検挙人数は2187人、平成27年は210人と1割まで減少しました。
車上ねらいの発生件数を発生場所別で見ると
平成14年 平成27年
住宅 37,605 13,411件
駐車場290,569 31,704
道路上 72,907 10,622
(これ以外の場所でも発生しています)
検挙率を都道府県別にみると、
上位は
佐賀 63.9%
秋田 60.3
山形 58.9
下位は
大阪 18.0%
埼玉 25.9
京都 26.5
犯罪率の上位は
大阪 15.0
東京 11.1
福岡 10.7
兵庫 10.7
下位は
秋田 3.0
長崎 3.6
岩手 3.8
刑法犯認知件数は減少していますが、振り込め詐欺被害の増加など犯罪情勢は引き続き予断を許さない状況にあります。