報道されにくいこと
2015.12.01
秋のレビューのとりまとめも終わりました。
新聞、テレビが取り上げてくれていますが、残念ながらなかなか取り上げてもらえないところもあります。
今回のレビューは、予算の削減や事業の廃止・縮減をメインにしているわけではありません。
それはむしろ党の行革推進本部の無駄遣い撲滅チームがびしびしとやればいいことです。
今回のレビューを公開することによって、税金の使い方や事業のあり方を国民の皆さまと一緒に考えていこうというのが大きな狙いです。
例えば、今後、下水道をはじめとする高度成長期に造られたインフラが更新期を迎えます。
このままいけば何兆円もの公費負担が続くことになり、財政的にはとても耐えられません。
そこでこうしたインフラを民間投資を活用したPFIで進めていこうというのが政府の方針です。
しかし、残念ながらPFIがうまく進んでいません。それはなぜなのか、どこにボトルネックがあるのかというのが今回のレビューのセッションの一つでした。
各自治体が運営している公営事業の会計が、きちんと整備されていない、そしていちいち情報公開請求をしなければならず、手間とコストが大変だということを指摘しました。
早速、総務省が公営事業の会計情報を分析しやすい形でホームページ上にオープンにしてくれることになりました。(レビューでの指摘を受け、ほぼ、即決してくれました)
もちろん、これは最初の一歩ですが、これをきっかけにさらにPFIを進めるために必要な措置をとっていきます。
あるいは、ホテルや旅館は、今年の末までに耐震状況を自治体に報告することになっています。
そのために、こうした施設の耐震化を促すための補助金を三年の時限で予算計上してきました。
ところがこの予算、初年度の執行率はわずか1%、二年目も10%未満、そして今年が最終年度ですが進捗状況ははかばかしくありません。
せっかくの耐震化のための補助金なのですが、なぜ使われないのか、耐震化を進めるためにどんな政策が必要なのかをレビューで取り上げました。
その結果、国が補助金制度をつくっても、都道府県の対応が遅れていて、しかも都道府県によって対応が大きくばらついていることが影響していました。
都道府県に呼びかけて足並みをそろえた耐震化の促進をやっていくことになりました。
本当は、こうしたPFIや耐震化をメディアが大きく取り上げてくれると自治体も認識を深めてくれると期待していました。
開栄丸やオリンピックパラリンピック関連事業ほどメディアの注目を浴びていませんが、今後のレビューでは、ぜひ、予算の削減だけではなく、こうした点にも注目してください。