あちこちで嫌われております

2015.07.08

今日の衆議院本会議で、「内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律案」、別名「スリム化法案」が可決され、参議院に送付されました。

橋本行革以来、二つ以上の省庁にまたがり総合調整が必要だとされる事務が、どんどん増えていきました。

そうした事務は内閣官房と内閣府に集められ、内閣官房と内閣府が肥大化し、それに対応して衆議院、参議院の内閣委員会も法案数が急増して対応できにくくなりました。

そのため、内閣官房、内閣府の事務を整理して、内閣官房から内閣府へ、内閣府から各省へ事務を移管する作業が、望月義夫前行革推進本部長から始まり、私に引き継がれてきました。

それをとりまとめて総理に提出した内閣官房、内閣府のスリム化案が、政府によって法案として提出されたのがこの法案です。

内閣官房から内閣府へ知的財産戦略推進事務局など五つの事務を移管し、内閣府から食育推進など九つの事務を関係する各省に移管します。

それだけでなく、国家行政組織法を改正して、これまでは内閣官房と内閣府にしか付与されていなかった各省を総合調整する機能を、閣議決定で各省の大臣にも付与できることとしました。

これによって、複数の省庁にまたがる事務に関しても、内閣官房や内閣府ではなく各省で総合調整ができるようになります。

ここまでは素晴らしいのですが、今国会でも、新たな本部を内閣府に新設するという議員立法が目白押しです。

このままではせっかくスリム化した内閣官房と内閣府に、新たに様々な事務が来てしまうので、自民党の場合は行革本部が法案をチェックさせていただき、内閣官房や内閣府に本部をつくるという法案はダメよ、とお断りしています。

仲間の議員が作った法案をダメよというのは心苦しいのですが、誰かが関所番をしないと、またまた内閣官房と内閣府に事務が集まってきてしまいます。

もともと行革推進本部は無駄撲滅プロジェクトで、霞が関からはあまり好かれていませんでしたが、この法案の確認作業で、永田町のあちこちからも嫌われております。(汗)



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